Interview

重圧の中でも投げ勝つ!最速145キロ右腕・遠藤慎也(京都翔英)が強豪相手に見つけた収穫と課題【前編】

2018.12.24

 最速145㎞のストレートを投げる本格派右腕の遠藤慎也。中学時代は決して目立つような投手ではなかったが、京都翔英入学後に急成長。京都でも屈指の好投手として名を馳せるようになった。遠藤が京都翔英で成長した要因とはいったい何なのか。彼のこれまでの野球人生を振り返ってもらいながらその真相に迫る。

恩師の「ウチで甲子園を目指してみないか」の一言が決め手

重圧の中でも投げ勝つ!最速145キロ右腕・遠藤慎也(京都翔英)が強豪相手に見つけた収穫と課題【前編】 | 高校野球ドットコム
遠藤 慎也

―― 野球を始めたきっかけは何ですか?

遠藤慎也(以下、遠藤) 父がずっと野球をやっていた影響が大きいと思います。物心ついた時から父の草野球に連れて行ってもらったり、プロ野球を観に連れてもらったり毎日が野球の生活だったので、それがきっかけだったと思います。地元が愛知県なのでナゴヤドームの中日戦をよく観に行っていました。

―― 投手はいつから始めましたか?

遠藤 元々はショートだったのですが、小学校5年生の時にピッチャーをやっていた子のコントロールが荒れてしまいました。その代わりに投げたら案外、抑えられたので、それから「ピッチャーやったらどう?」と言われて始めました。

―― 元から肩には自信はあったのでしょうか?

遠藤 周りよりは少し強かったと思います。家ではずっとチューブトレーニングをやっていました。

―― 中学はどのチームでやっていましたか?

遠藤 尾張ボーイズです。そこではずっとピッチャーをやっていました。ほとんどの大会が1回戦負けだったので、そこまでのレベルではなかったと思います。当時の球速は130㎞も出ていなくて、120㎞台後半でした。

―― 京都翔英に進んだ理由を教えてください

遠藤 中学2年生の秋頃だったと思うんですけど、浅井(敬由元監督)先生から声をかけられて、京都翔英の名前を初めて耳にしました。行きたかった高校のセレクションに落ちてどうしようとなった時も浅井先生は気にかけて下さっていました。京都翔英に入ろうと思ったのは浅井先生がきっかけです。 

―― 浅井先生からはどんな風に誘われたんですか?

遠藤 「ウチで甲子園を目指してみないか」という一言でした。3年生の8月には京都翔英に行くと決めていたので、浅井先生が亡くなられても迷いはなかったです。

[page_break:大阪桐蔭を前に格の違いを見せつけられる]

大阪桐蔭を前に格の違いを見せつけられる

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投球練習中の遠藤 慎也

―― 実際に京都翔英に入ってみてどうでしたか?

遠藤 強豪校ということもあって練習は当然、厳しかったです。周りにも凄いピッチャーがいたのでやっていけるのか正直、不安だったんですけど、みんなで切磋琢磨してやってこれました。

―― 1年秋にはエースになりましたが、何がよかったから1番を貰えたと思いますか?

遠藤 1年の夏からベンチに入れてもらって、その経験を買われての1番だったと思います。一番大きいのは秋の1次戦は1番を貰えずに悔しい思いをして、2次戦まで結果を求めて練習したのがよかったと思います。

―― 1年秋は龍谷大平安を倒して近畿大会にも出場しましたが、振り返ってみてどうでしたか?

遠藤 先輩の分まで負けられないというのが強かったので、一球一球を必死に投げていました。龍谷大平安戦は序盤からずっと苦しい展開で、相手からのプレッシャーを感じながら投げていました。勝った時は本当に嬉しくて、今までで一番うれしかった1勝でした。

―― 近畿大会では大阪桐蔭と対戦して洗礼を浴びました(0対12で7回コールド負け。遠藤は先発して3回7失点)が、あの試合はどうでしたか?

遠藤 率直に格が違うと思いました。どのコース、どのボールも逆らわずに綺麗に跳ね返されて、力のなさを改めて感じた試合でした。

―― 特に誰が一番凄いと感じましたか?

遠藤 やっぱり藤原恭大選手ですね。プレーボールであの雰囲気は圧倒されます。場外ホームランを打たれたのが一番印象的ですね。

 前編はここまで。後編では絶対王者・大阪桐蔭との一戦から学んだことをどう活かしたのか。そして春、夏を戦い、新チームとなって遠藤が取り組んできたこと。最後には目指す投手像や来春への意気込みを伺いました。後編もお楽しみ!

文=馬場遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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