第858回 意識付けの変化が同点打を生む!第5戦は本領発揮だ!野村 昇大郎(二松学舎大附)2018年12月22日

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 第4戦は9回にドラマが待っていた。東京代表が2点リードの9回表、パスボールで同点を許し、2ランで勝ち越され、後がない9回裏で再び同点に。試合終了までの両ベンチの熱気は白熱しており、間近で見ていて鳥肌が立つものだった。そんな中、同点打を放ったのが野村 昇大郎二松学舎大附)だ。2年夏、打率7割以上の打率を残して甲子園出場に貢献。俊足でさっそうとベースを駆け抜け、ライトからの守備でも強肩を披露する。走攻守すべてにおいて東京都の外野手ではトップクラスのプレイヤーだ。

 そんな野村にここまでの歩み、同点打を打った時の心境、第5戦の意気込みを聞いた。

キューバに対しての恐怖心をなくす



第4戦で同点打を放った野村 昇太郎(二松学舎大附)

 好打者というイメージが強い野村だが、実は飛ばせる打者であることはあまり知られていない。打撃練習ではほぼさく越え。グリップを高く掲げ、小さいステップから振り下ろしてボールをパンチショットさせると、両翼99メートルのラテンアメリカーノ球場、アルテミサ球場のフェンスを軽々と超える打球を放つ。そんな野村だが、実は手負いの状態なのだ。

 第1戦、バントを試みた際にボールが左手にあたり負傷。それでもガチガチのテーピングをして、痛み止めを飲んで、試合に臨んでいる。第2戦まではライトだったが、その後は打撃に専念するためDHとして出場している。第3戦の試合前、打撃練習ではそんなことも微塵も感じさせないような本塁打を打っていたので状態は聞いてみると、「だいぶ痛みが和らいできたので思い切り振れるようになってきました」と頼もしいコメントを残してくれた。

 ただ打撃練習と実戦は全く別物。野村はどのように対応してきたのだろうか。

 「キューバの投手は、日本のように制球力や変化球が優れた投手は少ないのですが、ボールが伸びてくるので、それに負けないよう、上からたたくことを意識していきました」

 打席を重ねるごとにあってきた。その結果、第3戦の最終打席は左中間へ二塁打。この4戦では第1打席で鋭い右前安打と野村らしい打撃になってきた。

 そして9回裏の打席。一死二、三塁と絶好の場面で回ってきた。前田三夫監督曰く「2人走者が出た時点で野村で勝負だと思っていました」と野村に託す。相手は速球投手・ブランデ・ゲバラ。2003年生まれの15歳ながら145キロ前後の速球を投げ込む右腕だ。野村は「速球、変化球どっちでも待っていたら振り遅れてしまうので、速球一本だけを待っていました」

 すると野村は速球を見事に打ち返し、中前適時打。前田監督は「野村は強く振れる選手。センター前を心掛けなさいと伝えていましたが、忠実にこなしてくれましたね」と同点打を放った野村をほめた。野村も「芯でボールをとらえることができたのでうまく抜けてくれた。抜けた瞬間は本当に嬉しかったです」と笑顔を見せた。

 ここまで結果を残すようになったのは意識付けを変化させたことが勝負強さを発揮させた。

 「打撃練習をやらせてもらって、バットを強く振ることにこだわるようになったことで変わりました。またキューバに対しての恐怖心がなくなっていたのも大きいと思います。先入観でキューバの投手はすごい球だなと感じていたところがあったので、1戦目終わって先入観がなくなって、今では普通に戦えています」

 先入観は悪という言葉があるが、野村を含め代表選手は実際にキューバ選手の力量を体感しながら、どう戦っていけばいいのか、それを理解して1戦、1戦、内容を高めているのだ。

 同点打を打った野村だが、ランナー二塁から三盗を試み、失敗した。そこで試合終了になってしまった悔しさがある。

 「和泉実コーチから、同点なので挑戦者で延長戦のつもりで戦おうといわれているので勝って終わりたいと思います」

 最後の第5戦。野村はチームを勢いづける一打を打つことができるのか。そして試合を決める一打を打てるのか。

 都内屈指の好打者の本領発揮はこれからだ。

文=河嶋 宗一


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プロフィール

野村 昇太郎
野村 昇大郎(のむら・しょうたろう)
  • ポジション:外野手
  • タイプ:左投左打
  • 二松学舎大附
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