Interview

日米野球MLB代表のクリス・テイラー選手(ドジャース)至高のパワーとスピードの根源に迫る!

2018.11.28

 メジャーリーグの名門・ロサンゼルス・ドジャースで、近年活躍を見せているクリス・テイラー選手。2017年には、ナショナルリーグのリーグチャンピオンシップシリーズでMVPを獲得し、今年11月に行われた日米野球では、MLB代表として好守にわたって質の高いプレーを披露した。

 今回は、そんなクリス・テイラー選手にインタビューを行い、高校時代のエピソードや高校生に必要なこと、そしてチームメイトである前田健太選手についてお話を伺った。

高校生は次のレベルに向けてどうのように準備するかが大事

日米野球MLB代表のクリス・テイラー選手(ドジャース)至高のパワーとスピードの根源に迫る! | 高校野球ドットコム
クリス・テイラー

 クリス・テイラー選手と言えば、昨年21本塁打を放った長打力に加えて、卓越した守備力を併せ持つユーティリティープレーヤーだ。圧倒的な守備範囲の広さと強肩はMLBでも猛威を奮っており、豪快なイメージが先行するクリス・テイラー選手であるが、話してみるとその素顔は冷静で思考が非常に深いことが見えてくる。

 高校生の年齢を考えたときに、一番必要なものは何であると思うかと尋ねると、クリス・テイラー選手は「次のレベルに向けた準備」の重要性を熱く語った。

 「次のレベルに向けて、どのように準備していくかがとても重要だと思います。もちろん試合に勝つのは大事だけど、高校レベルというのは、自分をいかに高めていくか、技術をどう上げていくかを考えた方が良いと思います。
 僕の場合は次のレベルが大学だったので、そこに向けてどうしていくかを常に考えていました」

 また、高校野球でもMLBの選手のパワーやスピードに憧れを抱いている選手は多い。クリス・テイラー選手のようなパワー、スピードを手に入れるためには、日頃からどのようなことを心掛ければ良いかと尋ねると、「いかに(身体が)成熟するかがまずは大事ですが」と前置きした上で、次のように答えた。

 「最近はウエイトトレーニングも進化してますが、大きくなるというところでは無く、瞬発的にパワーを発揮する力を付けていくことが、パワーやスピードを付けていくことに繋がっていくと思います」

 またクリス・テイラー選手は、道具のへの強いこだわりも見せる。特にパワーとスピードを足下から支えるスパイクにおいては、フィット感や足への負担を強く重要視している。

 「私は、ニューバランスのスパイクを使用していますが、一番初めに履いたときからすぐに足にフィットしました。またニューバランスのスパイクは非常に軽いので、疲れも溜まりにくく、足下を気にすること無くプレーが出来ます」

 抜群の身体能力の加えて、最高のパートナーを足に携えるクリス・テイラー選手。最高のパフォーマンスを引き出すためには、最高の道具を見つけ出すことも必要不可欠なのだ。

[page_break:ファミリーだった高校時代のチームメイトと尊敬すべき前田健太]

ファミリーだった高校時代のチームメイトと尊敬すべき前田健太

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クリス・テイラー

 そんなクリス・テイラー選手であるが、高校時代は競争の激しい環境の中で野球に打ち込んでいたと話す。だがその一方で、厳しい環境の中でチームメイト達と切磋琢磨していくことで大きな友情が芽生え、その当時のチームメイトはみんな今でも親友であるとクリス・テイラー選手は強く語る。

 「高校時代には、チームの一員として、ファミリーの一員として、自分たちをどのように作り上げていくかということを学びました」

 「ファミリーの一員として」
 日本の高校野球では使われないであろう表現であるが、チームメイトを家族のような存在として接していくことで、健全な競争の中で技術を磨くことができ、チームメイトとも深い友情を築くことができたのだろう。

 またクリス・テイラー選手を語る上で、もう一つ欠かすことの出来ないことがある。それが日本人メジャーリーガー・前田健太投手と、ロサンゼルス・ドジャースのチームメイトであることだ。

 クリス・テイラー選手は、前田投手に対しても賛辞を惜しまない。
 「もちろん努力家ですし、決まったルーティンをストイックにこなしている姿が、凄く尊敬できるます。
 そして、ひとたびマウンドに上がると、もの凄い闘争心むき出しにプレーするし、球種も多彩でそれを自由自在にコントロール出来ます。そういったところが彼のチームでの成功に繋がっていて、チームメイトとしてもリスペクト出来るところだと思います」

 チームメイトを誰よりも愛し、リスペクトを惜しまない。
 パワーやスピード以上に、人間として学ぶべきところが多いクリス・テイラー選手の活躍に、これからもますます目が離せない。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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