試合を作り、決められる最高の1番打者へ 黒川 麟太朗(国士舘)
10年ぶりに東京大会を制した国士舘。1番打者としてチームを引っ張るのが黒川 麟太朗だ。大型ながら切れの良い二塁守備、俊足、華麗な右打ちが光る。そんな黒川に1番打者としての役割を聞いてみた。
得意な右打ちで意識することは開きを我慢すること
黒川 麟太朗(国士舘)
1年夏からベンチ入り経験があり、2年秋から正二塁手としてチームをひっぱることとなった黒川 麟太朗 。新チーム当初から「国士舘史上、最低のチーム」「1次予選突破も難しい」と、永田昌弘監督に言われてきたチーム。そこからの脱却のため、黒川はベンチ入りしていた経験から戦術論、チームとしての戦い方、気づきなどをその都度話し合ってきた。
また1番打者として、出塁率の高さにこだわってきた黒川。「どんな投手でも甘い球がくるので、しっかりととらえて、選球眼が大事だと思うので、低めにボール球を逃さず、打率.333、出塁率.364と、上位打線のつなぎ役として優勝に貢献した。
迎えた明治神宮大会。孤軍奮闘の活躍を見せた。まず2回裏、二死一塁から外角直球を流し打ち、ライトへ適時三塁打。1点を返し、そして9回裏、二死満塁の場面で打席がまわってきた黒川はこう考えて打席に入った。
「変化球が来ると思ったので、追い込まれる前にしっかりと振ろうと思いました」
カーブをとらえてライトへ二塁打を放ち、2点を返す。4打数2安打3打点と存在感を示した。黒川の打撃を見ると、ライト方向への打球が多い。どんなことを意識しているのだろうか。
「打撃練習では常に逆方向(右中間)を意識して、引っ張れるようにしています。僕の場合は結構腰を開くことが多いので、アウトコースは腰の開きをぎりぎりまで我慢して打つことを意識しています」
また、この試合では切れの良い動きで好守を連発。守備範囲の広さに自信があると語った黒川は神宮大会の舞台でも攻守で実力を発揮した。
だがこのままでは1番打者としてチームに貢献できないと思っている。
「まだまだ出塁率が低いので、自分が出ることを良いリズムが生まれると思っています」と出塁率向上を課題に掲げた。
また12月には東京代表としてキューバ遠征へいくが、「レベルが高い選手が多いので良いものを吸収して、良い遠征にできればと思います」とレベルアップのためにはベストなタイミングだととらえている。
春では流れも変えて、試合も決められる最高の1番打者へ変身を遂げるつもりだ。
取材=河嶋 宗一