Interview

2019年のスター候補生・武岡龍世(八戸学院光星) その素顔と意識の高さに迫る

2018.11.11

 八戸学院光星に久しぶりにプロ注目のショートストップが現れた。その名は武岡龍世。ヤング徳島ホークス出身で、1年春から多大な期待をかけられ、ベンチ入り。2年夏には甲子園を経験。主将となった今秋の東北大会では決勝戦で本塁打。明治神宮大会では東邦戦で本塁打、高松商戦では2安打を記録した。そんな武岡の素顔とプレースタイルで意識していることに迫った。

来春は勝負強い自分となっていきたい

2019年のスター候補生・武岡龍世(八戸学院光星) その素顔と意識の高さに迫る | 高校野球ドットコム
武岡龍世(八戸学院光星)

 報道陣の前で見せる武岡龍世は、飾らず、素直に自分が思ったことを話す気さくな青年。その発言はときどき笑いを誘う。だがプレー面で意識していることを聞くと、非常に意識の高さを感じられる選手だ。

 まず今大会初打席となった東邦戦の第1打席。外角球をレフト前ヒット。武岡は「自分が得意とするコースでした。逆方向に打ち返すのは得意なので」と振り返ったが、その後の東邦バッテリーは一転して、内角速球攻め。石川昂弥が投じる140キロ台のストレートの前に苦しんだが、9回表、真ん中高めに浮いたストレートを逃さず、バックスクリーンへ大会第1号本塁打を放った。武岡は「置きにきたボールを打ててよかったですし、バックスクリーンに打てて、本当(の意味で)打てたと思います」と振り返った。

 そして、高松商の141キロ左腕・香川卓摩相手にも対応力の高さを発揮した。

 中学時代は3回対戦。今では電話しあう仲で、試合前日にも連絡をかわしたほど。第1打席はスライダーを右前安打、チェンジアップを右前安打と、計2試合で4安打を記録した。対応力の高さは打撃フォームに秘密がある。武岡は両膝を沈めたオープンスタンスで構えるが、これは先輩の長南佳洋から習ったもの。これにより低めのボールが見極めやすくなった。また、ヘッドが下から出やすい武岡はなるべくヘッドが下がらないよう、打撃練習で修正を重ねた。

 さらに、相手投手、試合状況によって配球を読む。その積み重ねが東北大会では、打率.357、1本塁打、8打点、そして神宮大会では2試合で4安打を記録した。武岡にとって神宮大会での経験は大きなものとなった。

 「やはり球速が速い投手と対戦できたことですね。東邦の石川君は140キロは超えましたし、高松商の香川は左で130キロ後半投げますし。東北大会で左で135キロを投げる投手とも対戦していなかったので、そういう投手と対戦できたのは、大きな経験でした」

[page_break名立たる先輩方に肩を並べられるように!]

名立たる先輩方に肩を並べられるように!

2019年のスター候補生・武岡龍世(八戸学院光星) その素顔と意識の高さに迫る | 高校野球ドットコム
武岡龍世(八戸学院光星)

 また打撃だけではなく、守備でも再三の好プレーを見せた。球足が速い人工芝にも難なく対応。一歩目に対して素早く反応するために、体を半身にして左足を引くスタイルをとっている。

 初日の東邦戦では、雨でグラウンドコンディションが悪いことを想定して、無理してダイレクトスローするのではなく、アウトを取る確率が高いワンバウンドスローを選択するなど、野球IDの高さも覗かせる。

 晴天となった高松商戦ではやや深い位置からでも力強く正確なスローイングを見せ、強肩でを印象付けた。さらに50メートル5秒9の俊足。内野ゴロでも全速力で駆け抜ける姿を見ると、かなりの俊足であることがうかがえる。

 走攻守すべてにおいてバランスが取れたプレースタイルは大きな将来性を感じさせ、明朗で、飾り気がなく、常に前向きな性格は人を惹きつけるものがある。それでいて大事なところで結果を残す武岡を見ると、スター性を実感させる。

 大会を振り返って武岡は「配球を読んでいても打てなかったら、読み間違えたりしたりところがあって打てなかった。そこは自分の実力不足ですし、ひたすら打ち込みをして、勝負強い自分になりたいです」と語った。

 OBで活躍する坂本勇人(巨人)にあこがれ、徳島を出て、八戸学院光星の門をたたいた武岡。坂本や、坂本と同じく注目された北條史也(阪神)も3年春で評価を上げた。先輩と同じように、来春、二度目の甲子園で大暴れできるよう、試練の冬に挑む。

 

取材=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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