第825回 これも必要な過程!平安のスター候補生・奥村真大(龍谷大平安)が味わった苦い経験2018年11月10日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

 5年ぶりの近畿大会優勝の龍谷大平安で気になる存在になってきたのが奥村 真大。東京ヤクルトの奥村 展征の弟である。まずは奥村の弟として注目されてきた真大だが、この1年でしっかりと奥村真大として注目される選手になってきた。ゆったりと左足を上げて、内回りのスイング軌道で高めのボールをかっさらいながら、長打にする打撃は脱力感を感じさせ、近畿大会ではサヨナラ打・本塁打を打つなどここぞという場面の勝負強さも兄譲り。面構えの良さからスター性を感じるようになってきた。自信をもって兄がプレーする神宮球場に乗り込んだが、厳しい現実が待っていた。

いつもと違った精神状態



奥村真大(龍谷大平安)

 いつもとは違った。

 奥村 真大は唇をかみしめてこの試合を振り返ったが、何が違うのだろうか。
 「緊張しなかったんです。今日はいつも違ってリラックスした心境で入ることができて。でもそれがエラーにつながったのかもしれません」
 近畿大会準々決勝のサヨナラ打、準決勝の本塁打、決勝の堅い守備。とても1年生は思えない落ち着きがあり、勝負強さを感じるパフォーマンスを見せてくれたが、それは程よい緊張感がもたらしたものだった。

 「負けられない試合で、そういう緊張感があったからできたと思います」
 決勝から4日後での初戦。初の神宮舞台。しかしリラックスした気持ちも、1回裏のミスで消え去った。

 「1回裏のミスで、すぐに頭が真っ白になってしまいました」
 いつもの精神状態ではない。これでは西原 健太札幌大谷)に勝負できない。今回の指示は「低めのボールに手を出さず、高めに浮いたボールを逃さず打ち返すこと」。だが、奥村はそれができなかった。

 「近畿までは浮いたボールが多かったですし打ち返すことができた。低めに手を出してしまい自分の打撃ができなかった。神宮ではそう簡単にそんなボールが来ないことはわかっていたんですけど、実践ができませんでした」と無安打に終わり、最後はバントミス。奥村らしさを見せることができなかった。奥村は「今日は本当に先輩たちに申し訳ないと思っています」と肩を落とした。だが、神宮大会を経験したからこそ分かったことがある。どんな場所でも自分の力を発揮しやすい精神状態で臨むこと。 

 これまでのパフォーマンスを見れば奥村は期待の逸材だ。内回りのスイングから、うまくボールを巻き込んで、左中間方向へ打ち返すバッティングはとても1年生とは思えない。ここぞという場面で力を発揮する勝負強さは平安ファンのみならず近畿の高校野球ファンも認めていることである。
 「この冬はもう一度、自分の課題克服へ向けて取り組んでいきたい」と語る奥村。

 今回の辛い経験は奥村 真大の成長にとっては必要な過程だったと。そう信じたい。

 

取材=河嶋 宗一

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する

プロフィール

奥村真大
奥村 真大(おくむら・まさひろ)
  • ポジション:三塁手
  • タイプ:右投右打
  • 龍谷大平安
【関連記事】
第882回 京都国際を初の近畿大会へ導いた上野響平が夏の準決勝敗退から得たもの【前編】 【2019年インタビュー】
第529回 一戦必勝が導いた優勝!甲子園で勝つためにさらなる高みへ!【バッテリー座談会 後編】【野球部訪問】
第864回 何としても甲子園へ!最速145キロ右腕・遠藤慎也が目指す、周りから信頼されるエースに!【後編】 【2019年インタビュー】
第863回 重圧の中でも投げ勝つ!最速145キロ右腕・遠藤慎也(京都翔英)が強豪相手に見つけた収穫と課題【前編】 【2019年インタビュー】
第193回 ミレニアム世代はそれぞれの道へ!注目選手たちの進路一覧!【ドラフト特集】
第522回 恩師にウイニングボールを捧げる!京都翔英が目指す聖地での初勝利!【後編】【野球部訪問】
第521回 打力に優れたチームで3度目の全国への切符を掴む!京都翔英(京都)【前編】【野球部訪問】
第192回 02年世代は野手豊作世代だ!まだまだいるスター性を秘めた野手たち【後編】【ドラフト特集】
第675回 松田憲之朗(龍谷大平安)「平安のDNAを受け継ぐスラッガー。目指すは甲子園100勝」 【2018年インタビュー】
第670回 島田 直哉(龍谷大平安)甲子園100勝目へ向けたエースの成長と決意 【2018年インタビュー】
奥村 真大(龍谷大平安) 【選手名鑑】
龍谷大平安 【高校別データ】
インタビュートップに戻る サイトトップに戻る

インタビュー