目次

[1]理解して自分の考えをアウトプット出来る才能
[2]浅田の成長にフィットした有明高校の環境
[3]今後の成長を期待せずにはいられない選手

 前編では、浅田 将汰の思考についてお伝えしたが、浅田のもう一つの魅力はずば抜けたアウトプット力だと思っている。

九州に現れた本格派右腕・浅田将汰(有明)の思考を読み解く!【前編】


理解して自分の考えをアウトプット出来る才能


 インタビュー中も、質問に対して的確な回答が返ってくる。質問の意図をすばやく理解し、自分の言葉で返答しているのである。これをやってのけるのは大人にとっても難しいことだ。しかし、浅田はすでにそれができている。アウトプット出来るということは、ポイントを理解し、自分の意見で返信しているということである。浅田の「理解力」と「アウトプット力」は、すでに高校生離れしている。

 この能力は会話だけでなく、プレーでも活きる。プレーの意図を理解して、それに対する自分で導き出したアプローチをアウトプットできるからだ。


浅田は器用すぎる

 アウトプット力について、中野賢哉部長のこんな言葉が心に残った。

「浅田は考えることもそうですし、球種もそうなんですけど、器用すぎて、うまくできてしまう。」
「器用なんでかわそうと思えばかわすピッチングをしてしまえるんですね。」

 アウトプット力があるからこそ、なんでもそつなく出来てしまう。現在投げている球種も、自信があるストレートを始め、スローボール、スライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップを操る。この“何でもそつなく出来る”能力は、浅田の成長の妨げになっているのだろうか?



中野賢哉部長(有明)

 この後の中野部長の言葉に答えがある。

「本人も分かっているので心配はしていないんですけど、枠の中でうまく努力しようとかでなく”殻をやぶる”ぐらいなところを行って欲しいなとは思います。」
「自分たちもよく、まっすぐに拘るようにとは言うんですけど。分かっていても打てないボールを投げられるぐらいの選手になって欲しいと期待しています。」

 つまり、浅田は器用であり「アウトプット」が出来てしまうが、同時に「理解力」もあるので、高見一茂監督・中野部長が「こじんまりとしないで、殻を破るぐらい大きく成長をしてほしい」と言う思いを理解して、その上で自分が何をするかを考えアウトプット出来るのである。

 だからこそ、浅田はストレートに拘る。浅田の中間目標の一つが「佐々木 朗希大船渡)に負けないストレート」なのである。

 今回のインタビュー中にも浅田は度々「150キロを超えるための下半身のトレーニング」や「日々の継続した努力」について話してくれた。このことはすべて現在地を理解している浅田が、今アウトプットすべき大事な項目の一つとしてあえて「ストレートに拘る」という、結論に至ったことに結びついている。

 中野部長は、「枠の中でうまく努力しようとかでなく殻をやぶるぐらいな ところを行ってほしいなとは思います。」と期待を語っていたが、中野部長の言葉の中に「浅田はその期待も理解して、殻を破ることが出来る選手だ」という信頼が含まれているのを感じた。

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