3対0。同じ西東京同士で今後も対決するであろう東海大菅生早稲田実業の対決は、東海大菅生に軍配が上がった。直近では2017年、清宮 幸太郎(現・北海道日本ハムファイターズ)を擁した時の夏の大会で対戦したが、その時も6対2で敗戦した。

 今回の敗戦を重く受け止めている選手が1人。主将で4番の生沼 弥真人だ。今夏は八王子戦で4番に座りホームランを放っている東京屈指のスラッガー。そんな旧チームを経験する生沼に試合後、東海大菅生戦について、そして自身の反省点などを伺った。

同じ失敗をしているようではまだまだ


 4打数1安打、併殺打2。この日の生沼の東海大菅生戦の打席結果である。ブロック予選で「てっぺんを取りたい」と強い覚悟で臨んだ生沼の秋は物足りない結果で幕を閉じた。

 「自分の中では甘いカーブとか、緩い系を待っていました。ですが、ストレートと同じ軌道のチェンジアップの前に抑えられました」と悔しさを滲ませつつ、反省を口にした。

 第一打席は高めに浮いてきたボールを逆らわずに逆方向。「甘い変化球を打とう」というベンチの指示を実行した見事なバッティングだった。

 しかしその後は、「低めの変化球を見切れるかがポイント」と考えていた東海大菅生先発・中村 晃太朗の投球術の前にヒットが打てず、チャンスで2度の併殺打に倒れた。

 「3打席あれば2打席で対応したかった。」と振り返りつつ、「見逃す、拾う必要があった」と対応策を話してくれた。

 生沼と話を交わして気づいたのは礼儀正しさ、そして丁寧かつハッキリした口調による受け答えである。まさに主将にふさわしい姿を見せる。それには彼なりの主将像があった。

 「清宮さんも野村さんも口だけではなく、行動として背中で引っ張る。それが主将のあるべき姿と思っています。」

 だからこそ、この試合で同じようなアウトを繰り返したのはまだまだだと感じ、自分が何かを変えないとチームとしても流れが変わらない、と強く責任感を感じていた。



マウンドの伊藤大征に声を掛ける、生沼弥真人(早稲田実業)

 ただ今大会を通じての成長点もあった。
 「帝京戦で、試合前にベンチ20名とそうでない選手たちでミーティングをして心一つで望めたことでチームとして少し変わった」と生沼は話す。

 また個人としても、チームのことを中心に考えられるようになった。
 「これまでだと自分の結果だけでしたが、新チームになってからは自分が駄目でもチームを鼓舞しようと切り替えが早くなりました。」

 しかし、優勝すれば甲子園。これが頭の中でちらつき、さらに相手がライバル・東海大菅生ということで浮足立ち、普段通りでなくなった。そうしたメンタル面での揺らぎも敗因だと生沼は考える。

 こう話した上で生沼は「この冬は自分を見直していきたい」と、自分との対話の末にさらなる成長を誓った。

 清宮 幸太郎野村 大樹の後を継いで名門・早稲田実業の主将となった生沼 弥真人。この秋は悔しい結果となったが、主将としての強い覚悟と責任感があれば、必ず来春に大きく成長した姿を見せてくれるに違いない。


文=編集部