第785回 今も未来もただ勉強あるのみ 勝たせる捕手・柘植世那(Honda鈴鹿)2018年10月21日

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【目次】
[1]中学時代からあった「投手の持ち味を引き出し、勝たせる捕手像」
[2]甲子園出場と同じぐらいの喜びがあった都市対抗出場
[3]正捕手として自覚を持ち、2年連続の都市対抗出場へ導く


 今年の社会人捕手の実力派として注目されるのがHonda鈴鹿の柘植 世那だ。健大高崎時代は2年夏から3季連続の甲子園出場を経験。強肩巧打の捕手として、2度のベスト8、残りの一度もベスト16進出と、勝たせる捕手としてドラフト候補へ成長した。

 Honda鈴鹿に在籍する今も、勝たせる捕手としてマスクをかぶる。社会人2年目に正捕手に定着し、2年連続の都市対抗出場に貢献した。そんな柘植 世那はどんな思いをもってここまでの捕手となったのか。その軌跡を追った。

中学時代からあった「投手の持ち味を引き出し、勝たせる捕手像」



柘植世那(Honda鈴鹿)

 柘植が捕手を始めたのは藤岡ボーイズに所属していた中学2年生と、意外にも遅い。それまでは投手・内野手を兼ねていた。捕手を始めてすぐに捕手の楽しさを実感したと言う。

 「相手の読みを外して空振りをとったり、打ち取ったりするのは楽しかったですね」
 捕手としてレベルアップするために、プロ野球の試合をテレビで観ていた。その中で参考にしたのが嶋基宏(東北楽天)だった。

 「嶋選手は投手の良さを引き出していますし、投手の気持ちもわかっている中でリードしているのが伝わってくるので、そういうところがすごいなと思いました」

 そして3年生になり、全国大会ベスト8を経験した柘植は健大高崎を進学先として選択。高崎出身の柘植にとって、中学3年の時に選抜ベスト4(2012年)に勝ち進んだ健大高崎は憧れだった。

 いざ健大高崎に飛び込むと、指導の細かさに驚く。技術面だけではなく、心理面にまで踏み込んだ戦略を教わった。

 「特に細かったのが葛原毅コーチです。技術面だけではなく、心理面まで踏み込んだ指導。相手の打撃フォームによって得意球と不得意球も見えてくるということも教えてもらい、いろいろ勉強をさせてもらいました」
 試合が終わると、コーチとの振り返りをしながら、リード技術を学んでいった。



健大高崎時代の柘植世那

 そして2年生の夏に初の甲子園出場を果たす。
 「1回戦の岩国戦では、野球の試合に集中するよりも、甲子園の雰囲気を楽しんでいたらあっという間に5回が終わってしまった感じでしたね。タイムリーを打ったんですが、振ったらタイムリーになっていた感じでした(笑)」

 甲子園では4試合で18打数8安打、8打点と活躍。自慢の強肩を見せ、攻守で躍動した。

 しかし準々決勝の大阪桐蔭戦ではこう悔やむ。
 「2対2の同点から、勝ち越し2ランホームランは打たれたのは痛かったですね」

 この試合後、目標は打倒・大阪桐蔭となった。柘植は2年秋、主将に就任。チームの目標を打倒・大阪桐蔭とした。
 「2年の時は甲子園ベスト8だったので、僕らの代は絶対に優勝を狙いに行こうと思い、あの大阪桐蔭に勝つためにやってきました。とにかく先輩の記録を越そうという気持ちでしたね」

 秋は関東大会ベスト4、そして選抜では準々決勝に勝ち進んだが、「夏に勝たないといけないと思って、選抜のベスト8でもあまり満足した感じはなかった」と話す。

 夏の優勝を狙って、柘植は3季連続で甲子園出場を果たすが、3回戦で成田 翔擁する秋田商に敗退。柘植は最後の夏の甲子園は3試合で、14打数2安打に終わり、悔しい結果に終わった。

 全国制覇はならなかったが、健大高崎の3年間で心身ともに成長した柘植は、プロ志望届けを提出するが指名漏れ。Honda鈴鹿に入社を決めた。

【次のページ】 甲子園出場と同じぐらいの喜びがあった都市対抗出場

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プロフィール

柘植 世那
柘植 世那(つげ・せな)
  • ポジション:キャッチャー
  • 身長:174センチ78キロ
  • タイプ:右投右打
  • 高崎健康福祉大学高崎高等学校-Honda鈴鹿
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