大学ナンバーワン実戦派右腕・松本 航 選手(日本体育大)が語る好不調の波を小さくする「調整術」と「割り切り」 vol.3
vol.1では松本航(日本体育大)の大学ラストイヤーに取り組んでいること、vol.2では今回は彼の投球フォームと変化球に対しての考え方について迫った。最終回の今回は、彼の調整方法やプロへの意気込みを伺います。
自分の動きを習慣化させる 大学ナンバーワン実戦派右腕・松本 航 投手(日本体育大)の投球論 vol.1
大学ナンバーワン実戦派右腕・松本 航 投手(日本体育大)が投球フォーム論・変化球論を伝授 vol.2
自分に合う食事法とルーティンを確立させて、波を小さくする
インタビューに答える松本航(日本体育大)
――世界大会、ハーレムを経験してどうでしたか
松本:ああいう舞台で投げられるというのが嬉しかったので、上を目指す上でもう一回そういう舞台に立ちたいという目標にもなりましたし、海外の打者と対戦することで、日本の選手とは違うので、そういった相手にどういう配球をしていったらいいのかを学ぶことができました。
――今、最後のリーグ戦に入ってみてどうですか
松本:リーグ戦は、東海大戦を落としてしまったので、残り厳しい試合になると思いますが、まだ全国の舞台への道が途絶えたわけではないので、あとは全力でやるだけだと思います。
――2位までに入れば明治神宮大会もありますよね
松本:そうですね。それに向けてやっていくだけです。
――内容自体は春よりもレベルアップした感じはありますか
松本:安定はしてきました。アップしてる段階でコンディションをいい状態に持っていけるようにはなったと思います。
――こここまでの話をきくと、常に良いコンディションでできてるという印象を受けます。松本投手は、いいコンディションに入るために睡眠と食事面で意識されていることはありますか?
松本:食事は、栄養士さんの話を聴く機会があって、一日一日この栄養素を取って野菜はこれぐらいでとか、決まりとしてあるみたいなんですが、学生はお金の面もあるので、そういうのは難しいので、一週間で考えて、今日は焼き肉をいっぱい食べたから、一週間で考えた上でこの日は野菜中心で、みたいな。
――毎日きっちりやるのは確かに難しいですもんね
松本:そうですね。だから一週間で考えて、この日食べたから今日はこういうふうに摂ろうという感じで意識したりはしています。
――それだと気持ち的に楽だと感じます。
松本:そうですね。食べる時は食べていいというのが自分の中であって。大学生だとお金もそうですけど、寮での生活なので自分でメニューを組んだりとかはあまりできないので。
――いつぐらいからこういうふうに意識し始めたんですか
松本:栄養面は大学で『栄養学』の勉強があったので。そこである程度の知識を得たので、意識してみようという感じで。
――最終段階になってだんだんできるようになってきている感じでしょうか?
松本:そうですね。そういうところの意識も上げていけば、繋がってくるところがあるかなと思って。
[page_break「飛翔」の気持ちを忘れず、プロの舞台でも飛躍する]「飛翔」の気持ちを忘れず、プロの舞台でも飛躍する
『飛翔』を掲げてさらなる上のステージに挑む!
――登板日はどういうふうに意識していますか?
松本:僕は先発での登板が多いので、試合時間も決まっています。そうなると何時間前からという指定もあるので、中継ぎとかは難しいところがあるんですが、僕の場合は作業化しているというか、何分前にアップして、何時からキャッチボールに入って、何分前にベンチに戻ってきて、何分前にピッチング始めてとかしたら、その作業をこなすだけなので、変なことを考えないんです。”今日打たれたらどうしよう”とか”今日勝てなかったらどうしよう”とか、そういう不安要素を考えちゃうと影響してしまうので、考えないように淡々とこなすように意識します。
――決められた時間で、それに向けてご飯を食べたり、準備をしていくことがいつも通りのピッチングができることにつながると。
松本:試合中も変にバッターを意識すると、自分のボールがいかなくなったりするんです。僕は身体の使い方とかを意識して投げているので、対打者もそうですけど、自分のベストのフォームで投げれば自分が持ってる一番いいボールがいくと思っているので、それで打たれたら実力不足ということで、自分のベストボールを投げるということを意識して投げています。
――そして『プロ志望届』を出したということで、ドラフトが近づいてますが、改めてどうですか
松本:夢だったので、その舞台に近づいてきているという期待感とか不安とかはいっぱいありますが、まだ成長しないといけないと思うので、気負わずにしっかり練習したいと思います。
――プロ入りが実現したら、どういうピッチャーになりたいですか
松本:先発をしたいと思っているので、まずはケガをしないような強い体と柔軟性を保ちつつ、投げた試合は期待に応えられるようなピッチャーになりたいと思います。
――そして色紙に掲げてくれた「飛翔」。これはどういう意味合いがあるのでしょうか。
松本:これは中学の先生が教えてくれたのですが、鳥はただ飛んでいるように見えるじゃないですか。でも鳥が飛ぶには、羽を動かすための胸の筋肉や足の筋肉が発達していて、飛ぶ技術が必要になる。鳥にとって必要な動作は簡単ではないということを教えてくれて、野球に置き換えれば、ピッチングで活躍するための技術をしっかりと身につければ、人としても一人前になれると思うので、しっかり身につけられるように頑張っていきたいと思います。
――そんな深い意味があったんですね!
松本:そうですね。今年の野球部のスローガンは自分の意見を通して「飛翔」にさせていただいたのですが、この意味を教えたのは幹部の選手や一部の選手だけです。
この言葉はプロに入っても貫きたいと思います!
――本当にピッチングから、スローガンまで奥深い話まで、松本投手ありがとうございました!
文=河嶋 宗一
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