目次

[1]土井が追い求める理想の捕手像
[2]学ぶことへの意欲
[3]チームに安心感を与える存在感

 第100回 全国高等学校野球選手権記念 佐賀大会 準々決勝、佐賀学園戦、どっしりとし、懐の広い構えから4回に右翼席へ8回には左翼席へ左右に豪快な本塁打を放った右の強打者、土井 克也に話を聞いた。

 豪快な本塁打と書いたが、落ち着いた雰囲気で受け答えする土井に、ピッタシの言葉は「豪快」ではなく、「落ち着いて、周りを見られる選手」というワードだろう。そんな土井の魅力をインタビューを通して紐解いてみたい。

土井が追い求める理想の捕手像


 土井は少年野球の時から捕手としてプレーしている。捕手の魅力について、土井は、言葉を選びながらこのように語った。「一人だけ全員を見れます。 キャッチャーのリードや配球で色々な違った展開が生まれてきます。大袈裟に言うと自分で試合が決まると言うか、そういう面白さはあります。後はバッターとの心理戦、次はここを狙ってくるんじゃないか、というようなおもしろさです。そういうのが魅力じゃないかなと思います。」そして、最後にこのように付け加えた。

 「守備の要と言うか1番どっしりしていてかっこいいなと思います」

 この言葉に、土井の理想の捕手像が詰まっている。落ち着いて、冷静に周りを見られるキャッチャーを目指しているのである。

 その証拠に、理想の捕手像について「やっぱりどんな場面でも迷わない。落ち着いていられるキャッチャーが凄いなあと思います。ピンチでも動じなくて 常に冷静な判断をして行っているキャッチャーというのが自分の理想です。こいつになら任せられる、そんな信頼されるキャッチャーが自分の理想です。」

 つまり、"どんなときでも冷静で、的確な状況判断を下せる、周りを見られる捕手”これが土井の目標なのである。そして、土井は確実にその目標に近づいている。

 土井の尊敬する吉富俊一監督は、土井について
 「周りが見える生徒でした。幼少期からそのように育ててもらったというのもあると思いますし、元々そういう資質もありました」と語る。

 周りからの評価こそが、土井の現在地を示している。土井はいま、理想像に向かって着実に歩んでいる。

常に冷静な判断をできるメンタルはどこから生まれるのか?

 吉富監督は、野球以外での取り組みの重要性を選手に説いている。
「学校生活でも周りが見えないというのは、やはり野球にも通じる。いろんなことに気づく、気遣いがないと、野球でも自分の事ばっかりになってしまう。また、自分のプレーだけじゃなくてその先も見て欲しい、そういうことは、学校生活で先を読んで計画立ててやることと通じる。言ったことだけでなく、何で言っているのかを考える。その場だけじゃなくてその先をちゃんと考えるようにすることは伝えています。彼(土井)は本当にプレイヤーとしてだけじゃなくて一人の高校生として、学校からも信頼・信望が置かれています。」

 この重要性を、もちろん土井は理解している。
「自分は、キャプテンという立場でもあったので、常に周りを見ながら、学校生活でも他の部員がちゃんとしてなかったら、ちゃんと言うように、そういうのはしていました。野球にとらわれず、学校生活も含めチーム全体を見るようにしていました。」

 土井の言う、“落ち着いて、冷静に周りを見られるキャッチャー”を作る、大事な要素に学校生活からの意識付けがあるのは容易に想像できる。