打倒・韓国!日本一のショート・小園海斗(報徳学園)がかける今大会への想い
2017年9月9日、世界一を目指した日本代表は韓国に敗れた。投打ともに力負けしたといっていいこの試合に、日本代表の全員が悔しさを露わにしていた。その中で2年生として選ばれた小園は「打倒・韓国」に燃えていた。
去年の悔しさを糧に
小園海斗
早くから日本代表を見据えて木製バットでの打撃練習に取り組んでいた小園。また体作りに取り組んで、一時は81キロまで増量。増量したことで「飛距離や強さが変わった」と手応えを感じている。小園は、ただ最初は打撃練習でもなかなか良い当たりが出なかった。この原因について「合わせようとしていた」と語る小園。永田監督のアドバイスから「振って合わす」。つまりしっかりと振る中で、タイミングを合わせるというものだ。そうするとだんだん感覚が合ってきた。また低めのボールゾーンを振らないことを徹底してきた。
そして8月28日の大学代表との試合ではドラフト1位候補・松本航(日本体育大)の内角の147キロストレートを巻き込んで本塁打。さらに、8月31日の宮崎県選抜では、戸郷 翔征(聖心ウルスラ)の149キロストレートを捉えて中前安打にした。小園自身、速球の対応には自信を持っている。
「自分は速球の対応には得意で、自分の持ち味は積極的にスイングすること。そこから狙うボールを考えながらですが、初球から振っていってバットに当たれば完璧に仕留められます」
また戸郷から打ったヒットについては、「戸郷君は自信のあるストレートを投げ込んでくるとヤマを張っていたので、打てたものだと思います」と振り返る。また、明治大では左腕・磯村峻平から粘りに粘って適時打を放った。この場面について小園は「何とか粘って打てるボールだけ打とうと思って打席に入ったので、良いところにボールが来ました。タイミングは合わせましたし、チェンジアップ、フォークがありましたので、低めの見極めをしっかり頭に入れて強いスイングができたと思います」と、自分が実現したい動きができるようになっている。
守備では好守備を連発。特に転がりが弱い打球に対して素早いダッシュ力と一歩目の速さで軽快に打球を処理して、アウトにしていた。
普段からアンツーカー付近を守る小園だが、もちろん前方へのゴロに対してのダッシュ力に自信があって実践をしている。とりわけサンマリンスタジアムはボールが転がりにくい人工芝だった。
「サンマリンスタジアムはボールがなかなか転がりにくいこと。さらに、不規則な変化をするので対処がしにくい。だから前方への打球に対し、すぐに対応できるよう一歩目はかなり大事にしています」
天性の脚力に加えてグラウンドの状況に応じた守備。小園の守備は一層磨かれている。
宮崎県選抜の試合では2番を打った。前回のワールドカップでも1番藤原、2番小園のコンビだった。中学の枚方ボーイズ時代から1番・藤原、2番小園のコンビとして打っており、「藤原は何がやるのか、分かるというか、そういうアイコンタクトはできています」と、呼吸はぴったり。実際に宮崎県選抜戦では藤原を二塁において、小園は一塁強襲安打。1点を演出した。
打倒・韓国に燃える小園。その韓国戦は5日に迎える。
「絶対に勝って、その上でアジア制覇を果たしたいです」
この宮崎で宿敵・韓国を破り、そしてアジア制覇に貢献する活躍をみせたとき、小園はアジアナンバーワンショートと呼ばれるようになっていてもおかしくない。
取材=河嶋宗一