佐久長聖、松商学園の二強を中心に混戦模様!実力公立校もひしめく!
第100回全国高校野球選手権長野大会(7月7日~22日・[stadium]松本市野球場[/stadium]ほか)の組み合わせ抽選会は6月23日に行われ。参加85校の対戦カードが決まった。100回大会ということで例年のシード校、春の県大会ベスト8をAシード、県大会1回戦で敗れた8校をBシードとして、それぞれが4回戦まで対戦しない組み合わせが初めて採用された。第1シードで春の北信越大会でも準優勝した佐久長聖が頭一つ抜けた存在。佐久長聖にストップをかけるのはどこか。8つのAシード校のブロックごとに、注目校や見どころを展望する。
佐久長聖、松商学園に順風か
チームの中心打者・真鍋龍平(佐久長聖)
第1シード・佐久長聖ブロック
佐久長聖と松商学園は比較的恵まれたが、諏訪二葉と東海大諏訪ブロックは激戦必至の様相だ。
主力2人をけがで欠きながら3年ぶりに県大会を制した佐久長聖。その故障者も復帰し昨夏、準優勝の雪辱を果たすべく、経験者を中心に着々と選手層を厚くしてきた。Bシードの長野東はじめ、ほかはすべて公立校で、佐久長聖にとっては比較的戦いやすいと言えるブロックとなった。対抗となるのが、その長野東。投打の中心、入山陸がいかに万全の状態で佐久長聖に臨めるか。佐久長聖が初戦で対戦する下ヤマには、昨年夏、3回戦で延長15回を戦った松本工が入った。
第8シード・東海大諏訪ブロック (第1シードブロックと準々決勝で対戦)
シード・東海大諏訪を含む私立4校にBシードの長野と、実力校がひしめく激戦ブロックとなった。左腕・井原愛弥を軸に攻守にバランスの取れた東海大諏訪は、地球環境―松代の勝者、その次は東京都市大塩尻―長野工の勝者と息が抜けない戦いが続く。都市大の左腕・高木唯楓は県内屈指の左腕。Bシード・長野のヤマには、昨秋の県チャンピオンでノーシードの長野日本ウェルネスが入った。ウェルネスも初戦は好投手八幡亮太を擁する上伊那農と、こちらも気が抜けない戦いが続く。
第5シード・諏訪二葉ブロック (第4シードブロックと準々決勝で対戦)
Aシードの諏訪二葉、Bシードの赤穂をはじめすべて公立校が固まった。ただ実力が拮抗したチームが多く、こちらもかなりの混戦が予想される。諏訪二葉は新エース・宮前克弥の台頭でディフェンスが安定しシードを獲得。二葉の下ヤマにはまとまりのある上田が入り、最初の関門になりそう。赤穂のヤマには、昨秋の南信1位岡谷南が入った。春は赤穂が岡谷南に快勝しているが、岡谷南の投手陣が復調すると分からない。赤穂の下ヤマ、野沢南の右腕・滝口亮汰も安定感がある。
[page_break:第2シードブロック、序盤から好カード]第2シードブロック、序盤から好カード
春の準優勝で第2シードの上田西にとっては厳しい組み合わせとなった。
上田西
第2シードブロック・上田西
投手陣に負担をかけずにブロックを勝ち上がりたかった上田西だが、初戦から難敵との対戦が予想される。上田西の下ヤマには、長野商業―下諏訪向陽が入った。長野商は昨秋の北信チャンピオン。エース・富岡叶大が本来の調子だと攻略は容易でない。上田西と長野商は昨年夏も3回戦という早い段階で対戦している。Bシードの長野西はこの春、初めて北信地区を制し投打で勢いがあり、こちらは4回戦で対戦する有力候補。上田西の横尾虎之介、塚田純平の新旧エースによる継投で強敵を迎え撃つ。
第7シード・伊那弥生ヶ丘(第2シードブロックと準々決勝で対戦
Aシードの伊那弥生ケ丘、Bシードの小諸商、さらに野沢北、長野日大の4校が競り合っている。エース征矢龍斗を中心にした守りのチーム伊那弥生ケ丘にとって最初の関門となりそうなのが、打力のある野沢北。Bシードの小諸商は、春の県大会1回戦で松商学園に延長で敗れているが、実力はAシードとそん色ない。順当なら3回戦で昨秋県4強の長野日大と対戦することになる。長野日大は春にけがで欠場した主力2人が戻り、巻き返しの態勢が整った。
第3シード・松本深志ブロック
力が拮抗したチームがいくつも入った。小林綾・小林絃のスーパーツインズを軸に投打に公立校離れした松本深志の初戦は、中野立志館―箕輪進修の勝者と対戦。中野立志館のエース神戸尚弥は県内屈指の左腕で攻略は簡単ではない。Bシードの松本国際は私立らしく投打に人材が豊富。その下ヤマでは、昨夏のベスト4バッテリーが健在の岩村田と、昨秋南信地区2位の飯田が、松本国際への挑戦権を懸けて対戦する。両シード校にとっては初戦からアクセル全開の必要がある。
第6シード・松本第一ブロック (第3シードブロックと準々決勝で対戦)
総合力では松本第一が一歩リードしている顔ぶれとなった。左腕エース荻原健汰を軸に攻守にバランスの取れた松本第一に、まず対抗してきそうなのが2人の好右腕をそろえる長野俊英。Bシードの更級農はこの春、創部以来、初めて県大会に進出した。原田力、小玉涼真が投打の軸となる。ただ、飯田OIDE長姫、中野西、高遠など実力差のないチームが隣のヤマに控え、息の抜けない戦いが初戦から続くことになる。
文=小池 剛