第737回 プレースタイルで選ぶアシックススパイクシューズ I‐SERIES(アイシリーズ)誕生の裏側2018年07月26日

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【目次】
[1]大型選手向けに開発された『I STAND(アイスタンド)』
[2]自分の体格とプレースタイルに合わせてスパイクを選んで欲しい

 メジャー注目の二刀流・大谷 翔平(ロサンゼルスエンゼルス)。ここまで、投げては4勝1敗、防御率3.10。打っては打率.282、22打点、7本塁打の成績を残し、(2018年7月22日時点)大谷の存在感は世界に広まっている。そんな大谷 翔平のハイパフォーマンスを支えるスパイクのテクノロジーが、アシックスが主に学生に展開するスパイクシリーズ『I-SERIES(アイシリーズ)』の中の1足に搭載されている。その名は『I STAND(アイスタンド)』。

 今回、高校野球ドットコムは大谷選手のスパイクと『I-SERIES(アイシリーズ)』スパイクの開発に携わった河本勇真さんにスパイク開発の裏側や大谷選手とのエピソードを聞いた。

大型選手向けに開発された『I STAND(アイスタンド)』


大型選手向けスパイク『I STAND SM(アイスタンド SM)』を持つ河本勇真氏

―― まず今回のI-SERIES(アイシリーズ)の主役、『I STAND(アイスタンド)』が生まれるまでの大谷選手とのやり取りについてお聞かせください。

河本勇真さん(以下 河本) 二刀流をこなす大谷選手は他の選手に比べて身体への負担が大きいですが、2016年からお渡ししていたスパイクについては、「安定感と安心感が得られる。」と気に入っておられました。 

 一昨年の8月、大谷選手には「今まで以上に高性能なスパイクを、共同で開発させてください」という話をさせて頂きました。我々としては、大谷選手との共同開発で作り上げたスパイクを、一般の選手、特に大谷選手と同様に身体が大きな選手向けに届けたいと考えていました。そうして生まれたのが『I STAND(アイスタンド)』です。


『I STAND SM(アイスタンド SM)』のソール(左)とアッパー(右)部分

―― 『I STAND(アイスタンド)』は大型選手向けスパイクというのが、1つの特長ですが、他のスパイクとの違いはなんでしょうか?

河本 やはり足裏部分全面にクッション材が搭載されていることだと思います。このクッション材は今までの野球のスパイクだとかかと部分のみしか搭載されていないものがほとんどでした。

 なぜかといいますと、日本ではP革という文化があるからです。つま先部分が摩耗により破れないよう、P革を充てて、縫ったり釘を打ったりしているのです。前足までクッションが入っているとこういった加工ができないので、かかと部分のみになっていたのです。

 しかしそれだと前足はクッションが全くない状態なので、大きな選手になるとやはり足に負担がかかります。しかも金具なので、走った時の突き上げ、衝撃も強いです。

 最近は身体の大きい選手が増えてきている中で、スパイクが今のままだと足に負担がかかってしまうことを我々は危惧しています。ですので、全面ミッドソールのクッション性の良いスパイクが必要だと我々は考えています。

―― 大谷選手の意見はどのようなものだったでしょうか?

河本 大谷選手からは、『投手の時は右足一本、バッターの時は左足一本の、軸足で立った時の安定感が一番欲しいです。』という言葉を頂きましたので、重心がかかる中足部分の足裏にスタッドを追加して、左右にぐらつきにくくしました。

 かかとについても、従来の大谷選手モデルは3本の金具だったのですが、4本に増やすことで地面をつかむ面積を広げ、安定感を向上させました。この構造は一般向けの『I STAND(アイスタンド)』にも同じ構造を採用しています。

―― 大谷選手との共同開発を経て、『I STAND(アイスタンド)』が主に高校生向けに販売されることになりましたが、最大の魅力について教えてください。

河本 全面ミッドソールのスパイクの課題でもあったP革を付けなくても破れにくくなったのが一番の魅力です。

 これはまず大谷選手に提案させていただきました。大谷選手は二刀流をされていますが、投手の時はP革を付けたスパイクを、打者の時はP革を付けていないスパイクをそれぞれ履き分けられていました。

 ただP革を付けるか付けないかで、足を曲げた感覚や、重さは変わってくるので、「1足でプレーするのはどうですか?」とアシックス側から提案させていただきました。試して頂いたら、投球により足を地面に擦っても耐久性は問題なく、採用となりました。

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