今年の鹿児島県を代表する左腕として注目される樟南松本 晴投手。左スリークォーターから最速143キロのストレートと125キロ前後のスライダーで勝負する。今回は松本に九州大会のピッチングを振り返っていただき、5月26日から始まるNHK旗争奪大会の意気込みを聞いた。

(取材日 4月22日 延岡学園戦 試合後の取材より)


松本晴(樟南)

―― 延岡学園戦のピッチングを振り返っていかがでしょうか。

松本 県大会後から肩を痛めていてしばらく登板できない時期が続いて、今日が久しぶりの登板だったんです。自分の中ではストレートが走っている感じはなかったのですが、それでも空振りを奪うことができてよかったです。また、体全体で投げることを意識していて、腕が外回りにならないにならないよう意識していたのですが、だんだんスタミナがなくなって、外回りになってしまったのが反省点です。

―― スライダーの割合も多く、空振りを奪った場面が多くみられました。

松本 スライダーは自分の中ではストレートの次に自信がある球種です。

―― 松本投手のスライダーは125キロ前後を計測するほどの高速スライダーですが、いつごろマスターしたのでしょうか?

松本 スライダーは1年生の時からずっと投げていて、ストレートの球速も上がるにつれて、スライダーの切れも上がっていって、2年生の秋になって125キロ前後も出るようになり、投球の幅も広がりました。他にはカーブ、チェンジアップも投げます。

―― ちなみに最速143キロを出したそうですが、いつ頃出したのでしょうか?

松本 3年春の鹿児島実戦です。この時はリリーフで、全力で投げていった結果、このスピードが出たと思います。

―― 昨秋から冬はどんなことをテーマにトレーニングをしてきたのでしょうか?

松本 秋が終わって、ストレートのスピード、威力もなかったので、そこをしっかりしようと思って走り込みを繰り返してきました。

―― 春の県大会のピッチングを振り返っていかがでしたか?

松本 ストレートの威力は上がりました。しかし、今日もそうだったんですけど、上体投げになっているところがあるので、そこをしっかり直していければ、さらに球速は上がると思っています。

―― 樟南はこれまで左の好投手を多く輩出していますが、松本投手にとって歴代の左投手の先輩方は憧れになっているのでしょうか?

松本 そうですね。憧れなのは2学年上の先輩である浜屋 将太(三菱日立パワーシステムズ)さんですね。切れのあるスライダーとコントロール良いまっすぐで抑える姿がかっこよくて、超えないといけない存在です。また浜屋さんの気迫がこもった投球は印象的で、自分が求めるエース像は浜屋さんだと思っています。

 まだまだ自分はそこまで近づくことができていないですが。

―― チームでは主将を務めていますが、いかがでしょうか。

松本 実は高校に入って初めて主将を務めたんですけど、最初はなかなかチームがまとまらない時期がありました。でも勝ち進むごとにチームはまとまってくれて、良い雰囲気でできています。僕は主将らしいことはできていないのですが、そこは副主将の松下航汰、中沢がうまくまとめてくれて、助かっています。

―― ではNHK旗争奪大会へ向けて意気込みをお願いします。

松本 夏前最後の大会で、チームにとっても大事な大会となります。しっかりと優勝を目指して、良い雰囲気で夏を迎えられる大会にしたいです。