Interview

試行錯誤を続ける大型捕手・石橋康太(関東一) 我慢の時を経て大爆発を

2018.04.10

 今年の高校生屈指の大型捕手として期待される石橋康太関東一)。高校1年夏に甲子園を経験した石橋は、あれから2年の時を経て、4番キャッチャーを任されるようになり、高校通算39本塁打とプロのスカウトも注目する存在へ成長した。そんな石橋はこれまでどんな思いを持って攻守に磨きをかけてきたのか。

(取材日 4月4日 都立日野戦 試合後の取材より)

理想の打撃フォームへ 試合前日に打撃フォーム変更

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石橋康太(関東一)の打撃フォームの違い 左が2年秋 右が3年春

―― 都立日野戦では無安打に終わりました。打ち損じが多かったように見えましたが、振り返っていかがでしょうか。

石橋康太選手(以下 石橋) 確かに結果は出なかったんですけど、自分は1試合ごとに打撃フォーム、意識の持ち方を変えています。やはり試合をやっていく中で、いろいろなことに挑戦して、成長のきっかけを見出すことが春の大会だと思っています。無安打に終わりましたが、いろいろ試行錯誤しながらやったことは良い挑戦だったといえます。

―― 打撃フォームの変化について詳しくお話を聞きたいですが、スタンスを広げたオープンスタンスにして、グリップを少し下げた構えに変わっていましたが、あれはどんな意図で?

石橋 自分が打撃で考えていることは、打ちに行く瞬間にバットが頭の後ろにあることがベストだと考えています。ただ自分はそこにもっていくのが上手くないので、最初からグリップを下げて、頭の近くに置いたこの構えがベストの形にもっていきやすい形だと考えて、都立日野戦の前日にフォームを変更しました。

―― 大会中に変更するのはすごい挑戦だと思いますが、結構変えるほうなのでしょうか?

石橋 もちろん良いフォームでしたら変えることはないのですが、昨日までのフォームですと、結果が残せないと思いましたので、でしたら一から新しくやり直そうと思いました。

―― ここまでの話を聞くと石橋選手は「確実性」をテーマに打撃強化に取り組んでいるのですね。

石橋 「打ち損じ」というのは、秋から多かったので、秋の大会が終わってから「打ち損じ」を少なくするには、どうすればいいのか?を考えてやってきました。そして確実性を高める中で、スイングスピードを速くすることにも取り組んできました。

―― 春季大会前の練習試合の内容はいかがだったでしょうか。米澤貴光監督やチームメイトに話を聞くと、かなり打っていたと聞きます。

石橋 いえ全然です。相手チームの厳しい攻めにあって打撃が小さくなっていたので、そういう中でも自分のベストの形をキープして、一球一球に気持ちを込めることを課題にしてやってきました。

 しかし春の大会が始まってからも自分の打撃フォームが小さくなっていたので、繰り返しになりますが、この試合で新しいことに挑戦できたことは良かったと思っています。

[page_break:投手の強い気持ちを引き出せる捕手になりたい]

投手の強い気持ちを引き出せる捕手になりたい

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畠山投手と話し合う石橋康太(関東一)

―― 続いて守備面についてお話を聞きたいと思いますが、リードする立場としてこの2試合はいかがでしょうか。

石橋 やはり前回大森学園戦でも大量失点したのですが、しっかりと打たれる場面もあれば、逆に打ち損じをさせたのに、内野手の間を抜ける打球を打たれたりすることが多かったです。バッテリーの間で焦ってしまい、打者のペースにさせてしまったところがあります。だから自分たちの間合いで投げようと意識したのですが、前半は焦ってしまったかなと思います。

 でもなんとか3番手でリリーフした畠山と組んだ時はそれまでの反省を生かしてリードすることができました。

―― 都立日野戦では投手に声かけしている場面が目立ちましたが、どんな声かけを行っているのですか?

石橋 投手を1人にさせないことです。そしてバッテリーの考えをしっかりと統一させることですね。打たれるほどバラバラになりやすいので、そこで自分たちがどれだけ考えを一つにできるかが大事だと考えてマウンドに駆け寄っています。

 またマウンドにいくことは、単調だったリズムを変えることも一つの目的となっています。一呼吸をおいて 自分たちのペースにもっていくことができますので、マウンドに行くタイミングを考えながら行っています。

―― そして3番手でリリーフした畠山投手は無失点の好投を見せましたが、どういうことを意識してリードしましたか?

石橋 畠山は気持ちを全面に出して投げられるところが魅力で、小手先で勝負するのではなく、逆球になっても打ち取れるぐらいの球威あるボールが投げられるよう、しっかりと腕を振らせてあいつの気持ちを引き出したことがよかったと思います。

 逆にいえば、これまでの2試合はほかの投手はそういう強い気持ちを引き出すことができなかったことは反省点ですし、今後の試合で相手打者に臆することなく、全力で投げ込める状況を作ることが自分の仕事だと思っています。

―― では最後に3回戦以降の意気込みをお願いします。

石橋  打撃面は新しいことに挑戦をする。それがダメだったとしても挑戦をして、より良い形を見つけていきたい。守備面では落ち着いて試合に臨んでいきたいと思います。

 3回戦駒大高戦では、高校通算39号本塁打を含む4打数4安打を記録し、復調を印象付けた石橋。米澤監督は「4番キャッチャーと負担が大きいポジションを担っていますが、そこをどう乗り越えるかが彼の課題」と話すように、試行錯誤をしながらも自分の能力を発揮し始めている。4回戦以降では攻守で獅子奮迅の活躍を見せることができるか注目したい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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