奥川 恭伸(星稜)「全国・世界の頂への第一歩」
3月23日(金)に阪神甲子園球場で開幕する「第90回記念選抜高等学校野球大会」。秋のドラフト候補生たちを含む新3年生たちに加え、新2年生たちにも有望選手が数多く名を連ねている。
その筆頭格が星稜(石川)で背番号11を背負う最速146キロ右腕・奥川 恭伸である。182センチ81キロの恵まれた体格と、2016年・かほく市立宇ノ気中で第38回全国中学校野球大会初優勝を果たした実績を手に、初の聖地に足を踏み入れる「2019年・WBSC U-18ワールドカップ」侍ジャパンエース候補に、これまでの道のりと意気込みについて聴いた。
「相棒」山瀬 慎之助と共に星稜を志す
奥川 恭伸投手
――かほく市立宇ノ気小2年の時に、宇ノ気ブルースターで野球を始めた奥川投手ですっが、市立宇ノ気中ではどんな投手を志していたのですか?
奥川 恭伸選手(以下、奥川) ピッチングで心掛けていたのは、試合の流れとか大丈夫な回と危ない雰囲気の回の配分。ピンチの時にしっかり投げられるように配分を考えてやっていました。速い球とかすごい変化球とかじゃなくて試合全体を考えて勝てるピッチャーを目指していたんです。
――中3の夏には全国中学校野球大会で全国初制覇を果たしていますが、石川県では星陵中も全国屈指の強豪です。奥川投手が当時「星稜」にどんなイメージを抱いていたのですか?
奥川 試合をさせてもらっても、やはりスキがない。全国大会を含めても星稜中学校さんが1番強かったです。「彼らと高校では味方でやってみたいな」と思いました。
――星稜高校に進学する最終的な決め手は何でしたか?
奥川 いろいろ選択肢があって迷っていた時期もあったんです。でも、最終的にはキャッチャーの山瀬(慎之助・新2年)と話し合って2人で星稜高校に進学することにしました。
山瀬はここまで小中高一緒。ずっとバッテリーです。とにかく肩が強いというのが1つあって、ワンバンとかもよく止めてくれるので思い切って、安心して投げることができます。
――ちなみに、中学校までに甲子園に行ったことはあったんですか?
奥川 小さい頃にあるらしいんですけどあんまり覚えてないです。プロ野球か高校野球かも覚えていないくらいです。
日本航空石川打線から学んだこと
奥川 恭伸投手
――入学後1年夏の石川大会から登板機会を得た奥川投手ですが、昨秋は上級生のケガでエース格に指名されました。
奥川 竹谷(理央・新3年)さんのケガがあったので「自分がやらなきゃいけない」実感はありました。先発する以上はその試合をしっかり作らないといけない。チームとしてもセンバツを目標にやっていたので「とにかく勝つ」という気持ちでやりました。
ですので、夏はマウンド上で緊張しましたけど、秋はそうでもなかったです。
―― 結果、石川県大会は優勝。北信越大会は準優勝。自分の成長を感じた部分はどこですか?
奥川 ピンチの場面です。これまでは「相手が上級生だから」と弱気になってしまうことがあったんですけど、ピンチにこそ、自分の持ってる力以上のものを発揮することができたと思います。
北信越大会では1回戦の北陸(福井)高校戦と準決勝の富山国際大付(富山)戦でベストピッチもできました。
――では県大会・北信越大会と、いずれも決勝で対戦した日本航空石川(石川)戦はいかがでしたか?
奥川 特に北信越大会は準決勝翌日が決勝だったんですけど雨で順延。そこで(林 和成)監督さんからは「決勝行くぞ」と言われました。ただ、自分の中では県大会決勝で打たれたイメージが抜けきらなく意識し過ぎた面があって。前と同じ結果になってしまいました。
それでも、振り返ると自分としては石川県大会の時より納得のいくボールもあった。もちろん試合直後は多少落ち込むんでたんですけど、秋に自分が打ち込まれたおかげで今の冬頑張れている。自分の経験や成長にはよかったんじゃないかなと思います。
――では県大会・北信越大会と、いずれも決勝で対戦した日本航空石川(石川)戦はいかがでしたか?
奥川 特に北信越大会は準決勝翌日が決勝だったんですけど雨で順延。そこで(林 和成)監督さんからは「決勝行くぞ」と言われました。ただ、自分の中では県大会決勝で打たれたイメージが抜けきらなく意識し過ぎた面があって。前と同じ結果になってしまいました。
それでも、振り返ると自分としては石川県大会の時より納得のいくボールもあった。もちろん試合直後は多少落ち込むんでたんですけど、秋に自分が打ち込まれたおかげでこの冬頑張れた。自分の経験や成長にはよかったんじゃないかなと思います。
――では、日本航空石川打線のイメージは?
奥川 スイング力が凄い。ストレートにもついてきますが、特に他と違ったのは変化球の見極め。スイングが強いからこそ、球を近くまで引きつけて見極めてくる。
秋の自分はそこで「ホームランにされたくない」と考えてしまい、スライダーやツーシームといった変化球が多くなってしまって投げる球がなくなってしまいました。
「質」を上げて「勝ち」にこだわる
――秋の学びを経て冬に取り組んだテーマ、その成果を教えてください。
奥川 ストレートのスピードもそうですが、回転やコントロールなど質を上げていかないといけないと思ってやってきました。スピードは上がったん実感も沸いてるんですけど、まだまだなのでがんばってやっていきたいです。
身近に清水(力斗・亜細亜大進学)さんや竹谷さんといった素晴らしい投手がいるので、先輩方を目指してやってます。
――センバツは初の甲子園。どんなピッチングをしたいですか?
奥川 1試合でも多く試合をしたいです。甲子園で経験を積みたいので勝ちにこだわる。スピードも150キロ出したいと言う気持ちもあります。でもまずは勝ちにこだわってやっていきます。
――その先、中期的に夏までにはどんなピッチャーになりたいですか?
奥川 宇ノ気中学の時みたいに「勝てるピッチャー」になりたいです。そのためにはストレートも変化球もう今よりももっと良くならないと到達できないので、何回りも大きくなりたい。自分は「甲子園優勝」を目標にしているので、そういうピッチャーになりたいです。
――今回は多くのことをお話頂き、ありがとうございました。
奥川 ありがとうございました!
(取材=小中 翔太)