Interview

上田優弥(日本航空石川)「甲子園初アーチは右中間へ打ちたい」

2018.03.01

 3月23日に開幕する「第90回選抜高等学校記念大会」。大会注目の強打者として取りあげられるのが上田優弥日本航空石川)である。昨夏は、4番打者として甲子園を経験。木更津総合戦では決勝打を放ち、勝利に貢献した。秋も主力打者として活躍を見せ、初の北信越大会優勝に導く一打を見せた。自慢は高校通算24本塁打を誇る長打力。そのパワーを生かすべく、この2年間の取り組みを聞いた。

初めての甲子園はかけがえのない経験となった

上田優弥(日本航空石川)「甲子園初アーチは右中間へ打ちたい」 | 高校野球ドットコム
甲子園・木更津総合戦で決勝打を打つ上田優弥(日本航空石川)※写真提供:共同通信

――兵庫県出身の上田選手が、日本航空石川に進んだきっかけは何でしょうか?

上田 優弥選手(以下、上田) まず監督さん(中村 隆監督)が自分が所属していた神戸須磨クラブの先輩だったんです。そこに加えて学校見学会で色々な学校を見させていただく中で、ここが1番設備も充実していたこと。そして雰囲気が明るい中に、一つ一つのプレーを丁寧に厳しくやっているところに惹かれて入学を決めました

――入学しての第一印象はどんなものでしたか?

上田 オンとオフの切り替えがすごいことですね。練習前と練習後はワイワイしているんですけど、いざ練習に入ったら、しっかりと集中できる。そこを見習いたいと思いました。

――上田選手は1年春から背番号13番でベンチ入り。そして、1年夏では5番レフトとして、レギュラーを獲得します。夏の試合はやはり緊張しましたか?

上田 2学年上先輩の代で、5番打者として出場をさせていただいたのですが、1回戦からガチガチに緊張していました。でも先輩たちが声かけてくれて、試合前にリラックスできるような雰囲気を作ってもらえたので自分としては思いっきりプレーできてよかったです。

――上田選手、高校のレベルに順応するために取り組んだことはどんなことでしたか?

上田 ピッチャーの球速、キレが中学校の時とは全然違うので、そこを早く自分のスイングで対応していかなければいけなかったので、なかなか飛びませんでした。でもスイングを変えていったりしたら打球も飛ぶようになったのでそこを変えていきました。

――どう変えたんですか?

上田 コンパクトで力強いスイングを心がけていました。

――上田選手といえば長打力も強みですが、長打力を磨くために心掛けたことは何ですか?

上田 まず打撃練習では弾道が高いフライを打つ練習をしました。トレーニングでは、パワーがないと打球飛ばないのでハンマーを振ったり、ウエイトトレーニングを取り入れてパワーをつけて、スイングにも生かすようにしています。

――昨夏は自身初の甲子園。振り返っていかがでしたか?

上田 1年夏は石川大会決勝戦で甲子園を目の前で負けてしまったので、先輩達と甲子園に行きたい気持ちばかりでした。石川大会では準決勝で星稜に大量リードされてしまったんですけど、「神の粘り強さ」が出て最後にしっかりと自分がヒット打って勝てたのでそこが大きな良かったところかなと思います。

――甲子園は上田選手にとってどんな場所でしたか?

上田 普通の球場でも観客が入ったらすごい声援になるんですけど甲子園は4万人とか入るじゃないですか。実際に、観客の声で試合が左右されるような雰囲気を味わいましたし、その中でプレーできたのはいいことだったと思います。

――――地元の知り合いもたくさん来たんじゃないですか?

上田 そうですね中学の友達とかみんな来てくれていたのでみんなの前でも活躍しないといけないなと思っていました。

[page_break:本塁打を打って日本一に導きたい]

本塁打を打って日本一に導きたい

上田優弥(日本航空石川)「甲子園初アーチは右中間へ打ちたい」 | 高校野球ドットコム
神宮大会で打席に入る上田優弥(日本航空石川)

―――昨秋の公式戦を振り返っていかがでしたか?

上田 甲子園で全然打てていなかったことから、そこからまた打ち方を変えたことで、石川県大会でもしっかり7割弱位の打率も残せました。チームは県大会決勝戦で負けてしまったんですけど、その悔しさが北信越で優勝という結果につながったかなと思います。

――打ち方はどう変えたんですか?

上田 甲子園の時はノーステップで打ってたんですけど、足を上げてしっかりと振るようにしました。ホームラン3本など長打もいっぱい出ましたし、足を上げた方が確実性が増したと思います。

――甲子園、神宮で全国クラスのピッチャーと対戦して感じたこと学んだことは何でしょう。

上田 甲子園の2回戦で当たった花咲徳栄のピッチャーが1番球のキレが全然違っていて、こういう投手を打たないと日本一になれないと痛感しましたので、全国レベルの投手を打てるような練習をしていきたいと思いました。

――ではこの冬のテーマは何ですか?

上田 木製バットで練習をしているのですが、芯で捉えて強い打球を出すというのを意識してやっていて、それが金属バットに変わるともっと強い打球が行くと考えています。

――今年の打線についてどう思いますか?

上田 日本航空石川は、自分だけが打つチームじゃなくて1番から下位打線までしっかり全員が振って長打もある。その中の4番なので自分も打たないといけないですし、後のバッターに任せられるという気持ちもあるのでリラックスして打席に立つことができてます。

――選抜ではどんな活躍を見せたいですか?

上田 やっぱりあの甲子園でホームランを打ちたいという気持ちが強いですし、その中でしっかり勝ってチームを日本一に導きたいというのもあるので、そこを目指して頑張っていきたい思います。

――上田選手が望むホームランはどこに打ちたいですか?

上田 右中間に打ちたいです!

――では最後の夏までにはどんな選手になっていきたいのか、教えてください。

上田 チームの主軸として信頼される選手であったりとかもっと警戒されるバッターになっていきたいと思います!

(取材=小中 翔太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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