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- 【特別対談】高橋宗司さん×クーニンさん×河嶋宗一(高校野球ドットコム副編集長)VOL.2「長距離走の極意」
第633回 【特別対談】高橋宗司さん×クーニンさん×河嶋宗一(高校野球ドットコム副編集長)VOL.2「長距離走の極意」2018年01月03日

【目次】
[1]一番きつかったのは朝5時起床
[2]二度目の区間賞はランナーズハイになっていた
[3]長距離走は同じペースで走り続けることが必要
長距離走は同じペースで走り続けることが必要

左から高橋 宗司さん、クーニンさん
高橋:長距離では指定の調整方法がありまして、これはどこのチームも共通してやっています。大会1週間前に練習量を落として、7日前の練習、3日前の練習の中身は基本的にどこも同じで、スタンダードになっていますね。それぞれ細かい調整をしていると思いますが、針に穴を通すほど細かいものではないです。
しっかりとできればの話ですけど、当日の状態が、1、2、3として、1が最悪だとする。
1はめったになくて、だいたい2、3で走ることができるんですよね。また調整方法は普段の長距離走の大会と一緒で、箱根駅伝だから、特別にこういう調整法をしようというものはないです。
クーニン:レースを見ると、スタートダッシュするチームがあります。陸上は流れがあるスポーツだと思っていますが、王者はそのような流れまで想定をして走っていたのでしょうか。
高橋:そうですね。相手同士が、競り合ってけん制しあうのはやはり1区が一番多いです。これは明確な理由がなくて、当日走っている走者がその場のノリでやってしまうんです。長距離は先頭を走るのは圧倒的に不利で、追いかけるのも大変ですし、速いペースで走り続けたとしても、絶対に落ちるんです。だから最初から飛び出す選手がいると、僕からすれば、「何やっているんだろうこの選手?」と思うんです。
僕の記憶では、世界陸上の予選で5000メートル走がありましたが、女子選手が先頭から飛び出していったんです。陸上関係者は「何やっているんだ」と思ったはずです。でも飛びだした選手は、そのまま1位で予選通過したんです。僕の長い陸上人生でトップのままゴールしたケースはそれ以外に見たことがありません。
なので、箱根駅伝で先頭の人についていこう、というのはないと思っています。
河嶋:そうなると周囲に左右されず、自分のペース、自分のタイムで走ることが大事なんですね。
高橋:そうなんです。20人の中に1人、圧倒的に速い人がいるならば別だと思いますよ。実力が同じ20人ならば、先頭を抜け出して走っても、絶対に落ちると思っています。
2011年の箱根駅伝は、優勝した早稲田大と2位の東洋大との差は1分。7区までは2分差で、30秒ずつ縮めていったんですよね。本当にハイペースで走っていて、大変だったと思います。
クーニン:優勝するために、どういう想定タイムや走り方をイメージしていましたか?
高橋:圧倒的な走りで優勝しようと思っていました。なぜならば、競り合った経験がないから、競り合っての優勝はできないと思っていました。
クーニン:前年大会優勝チームのタイムは参考にしますか?
高橋:2012年、東洋大が優勝したタイムの10時間51分36秒は20年破られない記録だといわれていました。だからこのタイムに到達できれば、優勝はできると思って、練習してきたのはありますね。陸上ばっかりの話をして大丈夫ですか?
河嶋:いえいえそんなことはございません。深い話ありがとうございます。
3回目はクーニンさんの高校時代について!