第627回 寺岡 寛治投手(石川ミリオンスターズー楽天)「出会い」に感謝し、東北で羽ばたく豪腕へ【後編】2017年12月10日

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【目次】
[1]石川ミリオンスターズでの濃密な1年間
[2]東北の地で「勝ちを消さない」投手になる

 2015年夏、ある人の運命の言葉が高校時代から眠りにあった豪腕を再び目覚めさせ、2016年ドラフトでのある選手の指名が最後にルートインBCリーグへ進む決め手に。そして一年後、彼はついに夢への切符を勝ち取った……。東北楽天ゴールデンイーグルスから7位指名を受けた石川ミリオンスターズの最速155キロ右腕・寺岡 寛治・25歳。その壮大な野球ドラマの一端を、ぜひ聞いてほしい。

寺岡 寛治投手(石川ミリオンスターズー楽天)5年の沈黙経て、再び動いた「投手」の時計【前編】から読む

石川ミリオンスターズでの濃密な1年間


同じく石川ミリオンスターズからドラフト指名を受けた沼田 拓巳(右)、寺田 光輝(中)と共に

――そして2017年はルートインBCリーグ・石川ミリオンスターズでのプレーを選択します。あえて「独立リーグ」という場所を選択した理由は?

寺岡:社会人2年目では最速155キロ・常時150キロを出せるようになり、カットボール・ツーシームなど変化球も使えるようになるなど投手としての手ごたえをつかんでいたのですが、社会人野球は一発勝負なので僕の登板はどうしても有吉さん、谷川(昌希・阪神タイガース5位指名)の2本柱が投げ抜いた後になってしまう。

 僕としては投手としてもっと幅を広げたい、プロを目指したいと思っていたところに、独立リーグの存在を知ったことで、進んでみようと思いました。

――最終的に独立リーグ行きを決断した理由には、ある先輩選手のドラフト指名があると聞いています。

寺岡:九州三菱自動車で1年間一緒にバッテリーを組んでいた1学年上の大村 孟さんが石川ミリオンスターズから育成ドラフト1位で東京ヤクルトスワローズから指名を受けた時に「ああ、独立リーグからプロに行けるんだ」と思ったんです。

――そして、特別合格で石川ミリオンスターズに入団。独立リーグで感じたことはありますか?

寺岡:バス移動は長時間ですので、ストレッチポールを使ってアップで身体をほぐすことには気を遣いました。食事面も自分で気を遣いながら補えないものはサプリを使ったり、試合後には温泉を活用したり、身体のメンテナンスは大変でした。でも、そのハングリーさが僕の力になりました。毎日試合があるので、球数を少なくする方法も考えましたし、カラバイヨ(群馬ダイヤモンドペガサス・元オリックス・バファローズ)、ペゲロ(富山GRNサンダーバーズ・元MLBサンフランシスコ・ジャイアンツ)などの外国人強打者を抑えるために、カットボールには特に磨きをかけました。

 前半戦は納得できない投球もありましたが、後半戦に入ると失投も少なく、思い通りのピッチングができるようになりました。カラバイヨからもカットボールで三振が取れるようになりましたし、千葉ロッテマリーンズ二軍相手にもカットボールは使えたので、もう一段階上に行きたいと思えるようになりました。

――かつ、石川ミリオンスターズでも指導者には恵まれていました。

寺岡:はい。特に総合コーチの武田 勝さん(北海道日本ハムファイターズから派遣)の話は勉強になりました。自分とは180度違うタイプの投球術をうかがうことで変化球の使い方を学びました。石川ミリオンスターズに行って本当によかったです。

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プロフィール

寺岡 寛治
寺岡 寛治(てらおか・かんじ)
  • ポジション:投手
  • 身長:180センチ89キロ
  • タイプ:右投げ右打ち
  • 生年月日:1992年12月3日生まれ
  • 福岡県糟屋郡粕屋町出身。町立粕谷西小2年時に内橋ジュニアスラッガーズで内野手としてソフトボールを始め、4年生からは投手。当時の遠投は62メートル。町立粕屋東中では3歳上の従兄弟の影響で粕屋ボーイズに入団。最速135キロの直球派として鳴らす。東海大五高(現:東海大福岡高)では2年秋の九州大会で最速149キロを出し、NPBスカウトの注目を浴びるが、3年春を前に右ひじを痛め最後の夏は登板なしに終わる。外野手として入学した九州共立大では1年時に疲労骨折が判明した右ひじを手術。復帰後、4年春には福岡六大学野球リーグ戦ベストナインを外野手として受賞した。九州三菱自動車でも当初は外野手も、入社1年目の2015年夏に投手兼任へ。兼任後2週間で自己最速となる150キロをマークし、翌年も外野手兼リリーバーを務め最速155キロをマークした。2017年はルートインBCリーグ・石川ミリオンスターズに特別合格で入団。セットアッパーとして43試合に登板・2勝1敗・59回3分の1を投げて被安打38・奪三振82・四死球28・防御率1.52の好成績を残し、10月26日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」では東北楽天ゴールデンイーグルスから7位指名。11月10日には契約金2000万円、年俸600万円、背番号「56」で契約合意に達した。最速155キロのストレートと、石川ミリオンスターズで磨きをかけたカットボールを中心とした強気の投球が持ち味。
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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