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第625回 吉田 正尚選手(オリックス・バファローズ)後編「身体が小さくてもホームランは追求できる」2017年12月08日

【目次】
[1]2017年型フォロースルーが生まれた背景
[2]甘い球を逃さない打者になるためのポイントとは
[3]「打てると感じた球を打っていく」のが正尚スタイル
身長はプロ野球選手としては小柄な部類に入る173センチながら、豪快なフルスイングから放たれる飛距離満点のホームランで野球ファンを魅了するオリックス・吉田 正尚選手。プロ2年目の今季はルーキーイヤーに続き、腰の故障による長期離脱を余儀なくされ、64試合の出場にとどまったが、228打数で12本塁打をマーク。フル出場を果たせれば本塁打王争いに名乗りを上げることが予想される若き和製大砲に「ホームラン」のテーマをぶつけるべく、大阪市此花区に位置するオリックスの選手寮「青濤館」を訪ねた。
後編では、ホームラン打者になるために必要な要素や、ホームラン打者を目指す球児たちにメッセージをいただきました。
■吉田正尚選手(オリックスバッファローズ)前編「自分で見つけたスイングが一番強い」から読む
2017年型フォロースルーが生まれた背景

吉田 正尚選手(オリックスバッファローズ)
――浮力を生む目的で、ボールの中心のやや下にバットを入れ、バックスピンをかけることを意識することもあるのでしょうか?
吉田 正尚(以下、吉田):練習ではいろんなことを試すので、その一環でバックスピンをかけるスイングを意識したりすることはありますが、試合であえてボールの下部分を狙うことはないです。インパクトの際の意識は、バットの中心とボールの中心を衝突させ、バットにボールが長く引っ付いた状態で乗せて運んでいくようなイメージ。
その結果、ボールの下にバットが入り、自然にバックスピンがかかった高弾道のなかなか落ちてこないタイプのホームランになることもあれば、ボールの中心近くを叩いてのドライブがかかったホームランや弾丸ライナーのホームランも生まれたりする。いろんなパターンの弾道が結果的には出現しますが、試合でやろうとしていることはシンプルに「ボールの中心を強くたたく」です。
――今季はインパクト後に左手を離し、右手一本で大きくフォローをとるシーンが増えたことも強く印象に残りました。
吉田:フォローで左手を離すことは去年の秋くらいから練習で意識して取り組んでいました。飛距離が増して、もっとバッティングがよくなるんじゃないかという感覚もあったし、体への負担も減らせるんじゃないかという期待もあった。打撃の幅が広がることにつながれば自分にとってプラスになりますし、練習でトライしてみようかと。
――前回のインタビューでは「基本、フォローは意識していない。あくまでも打った後の自然な結果」とおっしゃっていましたが、そこに意識を入れていったということですか?
吉田:意識を入れたのは練習の時だけです。試合では「手を離そう」という意識はありませんし、「フォローは打った後の結果」なのは今までと変わりませんが、練習で意識して取り組んだことで、試合の中で左手が離れたフォローになるケースが自然と増えていった。でも打つコースによっては手を離さずに最後までスイングしたほうがいいときもあると思っていますし、必ずしもすべてのスイングで手を離すことがベストの形とも思っていない。自分に合う形は常に模索しているので、もしかしたら来年はまた手を離さないスイングに戻っているかもしれません。
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