目次

[1]重いバットを振り続けた日々がスイングの土台を築いてくれた
[2]受け身の姿勢から本物の打撃は生まれない
[3]ホームランはベストスイングの延長線上にある

 身長はプロ野球選手としては小柄な部類に入る173センチながら、豪快なフルスイングから放たれる飛距離満点のホームランで野球ファンを魅了するオリックス・吉田 正尚選手。プロ2年目の今季はルーキーイヤーに続き、腰の故障による長期離脱を余儀なくされ、64試合の出場にとどまったが、228打数で12本塁打をマーク。フル出場を果たせれば本塁打王争いに名乗りを上げることが予想される若き和製大砲に「ホームラン」のテーマをぶつけるべく、大阪市此花区に位置するオリックスの選手寮「青濤館」を訪ねた。

重いバットを振り続けた日々がスイングの土台を築いてくれた

吉田 正尚選手(オリックスバッファローズ)

前回の記事を読んでくれた友達や知り合いからは『あんなこと考えてたんだ』といった感想をもらったりしました。けっこう好評だったみたいで」

 ルーキーイヤーを終えたばかりの吉田選手に「バッティング」をテーマにしたインタビューをおこなったのは2016年秋。練習終了後、寮内の一室に現れた風格たっぷりのスラッガーは、約1年前の取材のことをしっかり覚えていてくれた。
「今回のテーマは『ホームラン』でしたよね」
「そうなんです。今回もどうぞよろしくお願いします」「わかりました!」

 小1の時に地元・福井市の軟式チーム「麻生津ヤンキース」に入団し、野球人生をスタートさせた吉田選手。まずは小学生時代のホームランに対する思いを振り返る形でインタビューを開始した。

「ホームランというよりは『遠くへ飛ばしたい!』という気持ちがものすごく強かったです。スイングスピードを速くできれば、体の小さな自分でも遠くへ飛ばせるんじゃないかと思い、小2の時に中学生が使うような1キロくらいの重さがあるマスコットバットを父に誕生日プレゼントで買ってもらったんです。最初は重いバットに自分が振られてしまうような状態で全然振れなくて。『この重いバットが軽く感じられるようになりたい! このバットを使っても体がぶれることなく振れるようになりたい!』という一心で毎日、マスコットバットをがむしゃらに振り続けました」

 素振りをする際はフォームのことを意識しながら振っていたのだろうか。
「いえ、形の事は一切気にせずに振っていました。スイングスピードを上げることと『どうすればインパクトで力を集約できるか、どうすれば自分の持っているパワーをロスなくボールに伝えられるか』ということをひたすら身体で考え、追求し続けた。それが正しいやり方なのかどうかは当時はわからずにやっていましたが、今、振り返ると、あの時に形から入らず、がむしゃらに振り続けたことが、自分のスイングの『土台』を築いてくれた気がします」

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