目次

[1]打撃練習は150メートル飛ばすつもりでやっている
[2]全力で振り続けることでどこを鍛えればいいか分かってくる
[3]自分の形を見つけて、マックスで振る。それをいかに継続できるか

 今季、4月こそ結果を残せずに5月1日にファーム落ちするも、7月8日に再昇格すると、その日の東北楽天戦で代打ホームランを架け、その後はスタメンに定着するだけでなく、終盤は4番を任され続けた埼玉西武ライオンズの山川穂高。その魅力はなんといってもフルスイングによるホームランだ。自身最多の23発はリーグ11位タイだが、1本当たりに要した打数は10.52(242打数23本)。これはキングとなったデスパイネ(福岡ソフトバンクホークス)の13.66(478打数35本)を大きく凌ぐ驚異的な数字である。「飛ばすことへのこだわりはかなり強い」という和製大砲が語る、ホームランを量産するための技術、体のつくり方、練習での意識の持ち方とは―――。

 後編では、打撃練習での意識や高校球児へのメッセージを語っていただきました。
山川 穂高(埼玉西武)が語るホームラン論「自分が強い打球が打てて、確実性が高いフォームを求めよう」【前編】から読む

打撃練習は150メートル飛ばすつもりでやっている

山川穂高(埼玉西武)

「ウェイトトレーニングは怪我をしない体にするために最低限はやるという感じですね。決して嫌いではないですし、知識も持っているつもりで、ベンチプレスは100キロくらいなら楽に上げられます。スクワットも200キロ近くは上げられる。ある程度の筋力はあった方がいいとは思います。でも、ただ重いものを持ち上げられるようになって体が大きくなってもバットを速く、強く振れるようになるとか、野球に繋がらないと意味がない。体が小さい選手に関してはやってもいいかなと思いますが、野球のどこに生かせるのかというのを先に考えてやるべきでしょうね。僕はバットを振る筋力はバットを振ってつけるのが1番いいという考えで、練習ではとにかくマックスで振ります」

 バットを振るときは常に全力で行う―――。言うほど簡単ではない。

「僕もバッティング練習をマックスで打てと言われれば打てるんですけど、たとえばそのあと、個別練習があって、100球、200球を連続ではさすがに打てないですよ。ただ、体を全部、使って、マックスでバチーンと打っておくことは、やっぱりすごく大事だと思います。高校生や大学生の練習を見ても、それができている子はほとんどいないです。いろいろな方が『100メートル飛ばせばホームランだ』と言います。確かにそうで、100メートル飛ばす確率を上げていった方がいいというのもわかります。ただ、それは試合での話。試合では僕もそこまで全力では振りません。でも、それはピッチャーが投げる球が速くて、そこまで本気でボールをつぶしにいかなくてもバットの芯に当てたらスタンドに入るから。ですが、練習ではピッチャーがピュッと軽く放った球を飛ばすわけなので、それは体をぶつけていかないと無理です」

「さらに練習では100メートルではなく150メートル飛ばすことを意識した方がいい。なぜなら、本気でフルスイングをするから。飛ばしたいと考えれば、とらえるポイントを前に置いて、タイミングもしっかり早く取ろうとしますし、振った後のフォロースルーも大きくなる。西武なら浅村 栄斗さん、秋山 翔吾さん、他球団でも柳田 悠岐さん、松田 宣浩さん、長谷川 勇也さん(いずれもソフトバンク)とか、吉田 正尚(オリックス)とか、いいバッターはバッティング練習でもパチン、パチンと軽く打たないです。体を目いっぱい使っている。ホームランにならない打球でも、すごい打球を打ちますからね」