Interview

清宮幸太郎(早稲田実業)「次のカナダ戦は高校最後の真剣勝負!力を出し尽くしたい」

2017.09.10

 世界一への夢は潰えた。
現地時間9月9日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ8日目。カナダに敗れた侍ジャパンU-18代表は韓国と対戦。しかし4対6で敗れ、3位決定戦に回ることとなった。ここまで主将としてチームをひっぱってきた清宮幸太郎。悔しさをこらえながらも明日へ向かう清宮をレポートしていく。

主将としてみんなに申し訳ない

清宮幸太郎(早稲田実業)「次のカナダ戦は高校最後の真剣勝負!力を出し尽くしたい」 | 高校野球ドットコム

清宮幸太郎(早稲田実業)

 なんとも耐え難い悔しさがあるだろう。2年前は1年生ながら世界大会を経験。4番を打ったが、準優勝。27打数6安打、打率.222。決勝戦では4打数1安打と大事なところで活躍をできず、涙をのんだ決勝戦。その2年後、清宮は最後の夏までに当時最多タイ記録となる高校通算107本塁打を放つまでのスラッガーへ成長し、誰もが認める確かな実績を残してきた。そして代表入りしてから清宮も、2年前の経験から、試合前への準備法、アップ方法などしっかりと力を発揮できるよう工夫を重ねてきた。

 今大会の第1号は南アフリカ戦。節目となる110号を放ち、清宮は「(感覚が)やっと、分かった!っていう感じはあります。これが自分らしさかなと。柔らかさのあるバッティング。上半身と下半身すべてにおいて、ゆったりと自分の形で打てるようになってきました。今のところ、良い感じです!」と笑顔を見せたが、そこからも調子が上がらず、カナダ戦でバックスクリーンへ特大弾を放ったものの、今大会は28打数6安打、2本塁打、6打点と決して満足いく成績ではなかった。

 清宮らしくないのは、三振が8個もあること。スーパーラウンドのオーストラリア戦では「くそボールを振ってしまい、いただけない打撃になってしまった。自分では理解しているつもりなんですけど…」とそうなってしまうのは、普段慣れない国際大会だからなのか、結果を出したい焦りから生まれるものなのか。

 それでも清宮は、前を向いて、チームの勝利のため、世界一のため、打席に向かった。ただ韓国戦は無安打に終わり、またしても世界一を逃してしまった。試合後、清宮は「チームメイトに本当に申し訳ないです」と肩を落とした。しかし清宮は日本代表の主将として、最初から最後まで厳しく、心強い主将であり続けた。

「カナダに遊びにきたわけではない」と、カナダ入り後、気のゆるみが見えたナインをまとめ、本番に臨ませ、ことあるごとに選手を集めてはナインに声をかけてきた。

 そして韓国戦の9回表、選手全員を集めて、「最後にしっかりと伝えようと思って、みんなそれぞれの仕事がありましたけど、投手が代わって、時間もあって。この3週間のすべてをぶつけて、悔いがない戦いをしようと伝えました」
逆転の夢は絶たれ、日本は3位決定戦へ回ることとなったが、真剣勝負はまだ1回ある。これが清宮にとっても高校生最後の試合となる。
「まだ明日がありますので、勝つことには越したことがないので、そこへ向けて切り替えてやりたいですね。悔いがないようプレーしたいです」
世界一はなくなったが、高校清宮はまだ終わりではない。ラスト1試合。今年の高校野球をリードしてきたプレーヤーとして、カナダの地で思う存分大暴れして、やり切ってほしい。

(取材/文・河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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