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第571回 田浦文丸(秀岳館)「必然の活躍を生むチェンジアップと冷静なマウンド捌き」2017年09月05日

【目次】
[1]各数値を示す田浦の無敵のリリーフぶり
[2]必然の活躍を生む冷静なマウンド捌き
9月4日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ4日目。連日活躍を示しているのは田浦 文丸(秀岳館)だ。オランダ戦で6回からリリーフで登場し、4回を投げて9奪三振の好リリーフを見せた田浦。活躍の秘訣を探った。
各数値を示す田浦の無敵のリリーフぶり

田浦文丸(秀岳館)
野球界では制球力ある左腕は非常に評価が高くなる傾向にある。その制球力はストライクへ投げられる能力が高いということだが、高いレベルで活躍できるコントロールが良い投手というのは、ストレート、変化球で必ずストライクが取れるボールがあることだろう。
田浦 文丸とは、まさにその条件を満たした左腕である。最速148キロをたたき出した左腕だが、ピッチングを見ると制球力重視。しかしもともと140キロ後半をたたき出す投手が制球力重視で140キロはかなり切れがある。
さらにスライダー、カットボール、チェンジアップはストライクが取れる。ピッチングに余裕が感じられるのだ。
今大会の田浦の活躍は非常に目覚ましい。まず今大会トップクラスの破壊力を誇るアメリカ打線相手に、2.1回を投げて5奪三振に抑える投球を見せると、次のキューバ戦では6回表、一死一、二塁の場面でマウンドへ登り、二者連続三振でピンチを切り抜け、2.2回を投げて5奪三振。
そして6回裏からマウンドに登った田浦は快投を披露。今日は3連投だが、140キロ前後のストレートは相変わらず切れが良く、スライダー、チェンジアップも低めに決まり、打者の手元で曲がるので、オランダ打線が捉えきれない。9回裏には、この日、最速となる145キロのストレートを投げ込み、4回9奪三振の快投。ここまで奪三振ラッシュが続く田浦だが、通算成績に直すと以下の通りである。
9回19奪三振、被安打率.067、K/BB 9.5、奪三振率19.00、防御率0.00
無敵リリーフという格言がぴったりな成績である。今大会、猛威を奮っているスライダーとチェンジアップ。高確率でストライクが取れて、空振りを奪える精度をいかにして身に付けたのか。
「自分が身に付けたのは高校生の時からで、川端 健斗が投げているのを見て自分も投げたいと思って、川端から投げ方を聞いて、習得しました」
打者の手元でスクリューのような変化をするボールだが、握りはごく普通のOKボール。投げる時のポイントは?
「とにかく腕を振ること。ボールを追い抜くようなイメージで投げています。チェンジアップは自分の中で自信がある球種です」