目次

[1]劇的に進化した「クイックモーション」
[2]青柳流「再現性の高いフォーム」の入手法
[3]「いい日と悪い日の違い」に日々向き合う

青柳流「再現性の高いフォーム」の入手法

青柳 晃洋投手(阪神タイガース)

「コントロールのいい投手の特徴は?」という問いを青柳に投げかけたところ、「フォームの再現性が高い投手」という答えが返ってきた。

「同じ動きが毎球できる投手はボールが同じところにいく確率も高くなります。でもフォームが1球1球違う投手は、仮に1球素晴らしい球が投げられたとしても、次の球が抜けてしまったりする。いくら頭で同じ球を投げようと思っても、フォームの再現性が低ければ、ボールはばらついてしまいます。タイガースだと能見篤史さんや安藤優也さんはいつも同じフォームで投げられる。コントロールも当然よくなります」

――フォームの再現性の向上を願う高校球児に対して、おすすめの練習メニューはありますか?

青柳 晃洋投手(以下、青柳):鏡を見ながらのシャドーピッチングは自分の理想に近いフォームで投げることができるので、フォーム固めにはもってこいだと思います。

――バッティングの素振りのように、ボールを使わない分、形に集中できる。

青柳:でも実際にボールを使って投げると、なかなかシャドー通りのフォームでは投げられない。そこでお勧めしたいのは、投球練習の直前にシャドーピッチングをおこなうやり方。形に集中できるシャドーで得た理想のフォームの感覚を頭と体に染み込ませた状態で、ボールを投げる段階に移ることで、理想のフォームの再現率はぐんと高まります。

――なるほど。シャドーピッチングはおこなう順番とタイミングで効果は変わってくる。

青柳:そう思います。あと、1日あたりの投球数は30球程度でいいので、なるべく間隔をあけず、週5、6日のペースでピッチング練習をすることもお勧めです。人間の身体は一日、一日状態が違う。体が重く、ボールが走らない日もあれば、すごく元気でボールが走る日もある。でも人は基本的に元気でボールが走る日にピッチング練習をしたくなりがちです。そしてそんな日はついつい多めに投げてしまう。

――わかる気がします。気分いいですものね。

青柳:状態のいい時に投げることももちろん大事なんです。でも、状態の悪い時にも投げることで『いいときと悪い時とではどこが違うのか』ということを考えることが可能になる。この『いい時と悪い時の内容をすり合わせる』という作業の継続がフォームの再現性の向上に非常に有効なんです。