持ち前の機動力で全国的な強豪となった健大高崎。その健大高崎から最速145キロの速球を投げる右腕がいる。その名は小野 大夏。1年生10月から新チームまで捕手をやっていた小野は新チーム後から投手に専念し、145キロまでを投げるまでへ成長。この選抜での登板の経験が現在の活躍につなげている。

捕手経験がスピードアップの秘訣に

 高南中は軟式でプレーしていた小野。入学から肩の強さには自信があり、130キロ台の速球を投げることができていた。転機となったのは1年10月からの捕手転向だった。肩の強さとチーム事情により捕手となったが、「捕手転向して取り組んできた練習や下半身強化が大きかった」と語るように、2年秋には最速145キロまで到達。公式戦登板は4試合登板に終わったが、対外試合では防御率0.84、64イニングで95奪三振の快投を見せている。こうして自信を持って臨んだ選抜大会では3試合に登板。選抜では、「速球だけでは通用しない世界だなと思いました。そして自分のコントロール、変化球の精度の低さを実感しました」

 選抜後では変化球の精度向上や、制球力強化に着手。また先発する機会も増えた。青柳博文監督は、「今までは短いイニングが中心でしたけど、先発として投げられるようになれば、チームとして大きいので」と起用の意図を話す。県大会では先発として実績を残した小野は、大事な関東大会(石岡一戦)での初戦を任される。

 小野は2回表の三者連続三振など7奪三振。「ストレートの勢いもありましたし、投げてきたフォークをしっかりと使うことができて良かったです」とストレートとフォークのコンビネーションが冴えわたり、そして磨いてきたツーシームでしっかりと内野ゴロを打たせるができた。6回まで被安打1と安定感抜群の内容を残した。

 青柳監督も「小野は丁寧なピッチングでしっかりと試合を作ってくれました」と快投をたたえた。

 夏へ向けての課題として小野は「ストレートのスピードを上げることですね。先発をやってきて、変化球もコントロールもだいぶ良くなってきました。でも、先発をやっても力で押せる投球もできるようになりたい」
それはリリーフ登板時の球速を先発でも出したいということだろう。力で押す、あるいは技でかわすピッチングができれば、もっと活躍できる機会が増えるはず。一時、捕手を務めたことがある変わり種の選手が、ラストサマーで飛躍の時を迎えている。

(文=河嶋 宗一

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