目次

[1]捕手に求められるスキルを1つずつ覚えていった
[2]明治神宮大会での敗戦も糧にする

 19日に開幕した第89回選抜高等学校野球大会。今大会の注目捕手に上がるのが、古賀 悠斗福岡大大濠)だ。スローイングタイム1.8秒台の強肩、さらに高校通算42本塁打を放ち、強肩強打の捕手として注目される。その古賀、実は2年夏まで遊撃手で、それまで捕手経験はゼロだった。捕手となったのは、昨秋から。経験ゼロの中でも、九州屈指の捕手へ成長したプロセスを振り返る。

捕手に求められるスキルを1つずつ覚えていった

古賀悠斗捕手(福岡大大濠)

 今でこそ、プロ注目の強打の捕手へ成長した古賀だが、始めた当初は何もわからない状態。キャッチング、リードも、ワンバウンドストッピング、スローイングも、イチからのスタートだった。「始めた時はすべてに苦労しましたね...」と振り返る古賀。

 というのも、甲子園を目指す強豪・福岡大大濠。勝つために捕手に求められることは多い。捕手初心者の古賀にとって、首脳陣の期待に応えるプレーヤーになれるまで相当な苦労があったはずだ。

では、どのようにして克服していったのか。以下、古賀談。


■ワンバウンド 捕る練習の前に捕る形から
 まず、僕が行ったのは股関節の柔軟性を鍛えることです。ワンバウンドを止める姿勢は股関節の柔軟性がないと、体を沈める姿勢ができません。このポジションになって股関節のストレッチやトレーニングを行いました。
 次に行ったのは、形づくりです。やみくもに止めるよりも、まずは止める形を何度も繰り返し行って、ひたすら体の中にしみこませていきます。そこから緩いボールでワンバウンドを止める形に入り、少しずつボールの強度を上げていきます。そうすることで、ワンバウンドを止めることができるようになりました。
 最初からいきなりボールを強く投げてもらって止める練習はあると思いますが、僕の場合、捕手経験値がゼロでしたので、まずはワンバウンドの捕球姿勢を覚えることからスタートでした。

■キャッチング ミットの芯で捕球すること
 キャッチングではかなり痛い思いをしました。捕手をやっていてわかったのは、しっかりと捕球ができなかったり、下手なキャッチングをすると突き指をしてしまうということ。

 僕は捕手を始めた時に、親指を突き指をしてしてしまいました。これが本当に痛くて...。まともにとることができないですし、打撃にも影響が及びます。突き指をしないように、正しいキャッチングの仕方を1学年上の松本さんから教わりました。僕が大事にしているのは、ボールの軌道に合わせてミットの芯で捕球することです。できているとはいいがたいですが、始めた時と比べるとできていると思います。

■スローイング 自分の投げやすい状況を作ろう
 僕は野球を始めた時から肩の強さに自信がありました。しかし、捕手はただ強いボールを投げられるだけでは、まったく意味がなく、捕ってから早く投げて、強く正確に送球することが大事になってきます。

 始めた時、早く投げることができず、なかなか刺すことができませんでした。やはり大事にしたのは、投げるまでの流れで、特にステップワークを意識しました。右足も、左足の動きもどちらも大事で、投げやすい状況を作ること。それができて、ようやく形になってきたと思います。

■リード グラウンドで得た情報を一番大事に
 どれも苦労していますけど、最も苦労したことですね。リードというものをこれまで知らなかったので、八木啓伸監督、コーチ、先輩捕手の松本さんから指摘され、最初は頭がパニックになりそうになりました。そんな自分に対しても皆さんに指導していただきまして、少しずつ分かってきました。

 リードで大事なのは、実際、打者が打席に入った時の雰囲気、動き、癖を感じ取ること。もちろん事前分析も大事です。ただそれは参考程度で、実際、打者の動きを見るようになってから、少しずつですが、思い通りのリードができるようになりました。例えば打ち気満々の打者ですと、結構開いて打っていく打者が多いので、外の変化球で逃げたり、打ち気がない選手がいれば、ストライク先行をしたりと、それがうまくいきました。

 またエースの三浦 銀二は本当にコントロールがいいので、僕が構えたところにぴたりときます。コントロールミスは10球に1球ぐらいです。
 だから先生たちに言われていたのは、「あんなに良い投手がいるのに、点を取られるのは、お前の責任だ」といわれまして、本当にその通りで、自分のリードミスで打たれて負けたら自分の責任だという思いでリードをしています。

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