目次

[1]「心は熱く、頭は冷静」で勝ち取った甲子園準優勝
[2]「高校集大成」の侍ジャパンから憧れの場所へ
[3]慶應義塾での充実した1年間 / 「丘の上」に昇り、さらなる高みへ

 後編では、仙台育英3年夏準優勝の舞台裏、侍ジャパンU-18代表での経験と慶應義塾大での今までと、これからを語って頂きました。

「心は熱く、頭は冷静」で勝ち取った甲子園準優勝

仙台育英時代の郡司 裕也選手

 早稲田実業(西東京)との準決勝当日、選手たちの前に立った佐々木 順一朗監督。普段は「相手を敬え。敬意を表しなさい」を繰り返し説く指揮官だが、この日は特別な「魔法の言葉」をかける。

「たまに言うからこそ効果絶大で、あの言葉で一気にチームはまとまりました」
郡司のハートは熱く燃えた。その反面、捕手としての必須条件である頭はあくまで冷静沈着。これがスーパー1年生・清宮 幸太郎(現:2年)、攻守のコントロールタワー・加藤 雅樹(現:早稲田大1年)らの主軸攻略へ存分に活かされる。

「清宮にはインコースを主体に、うまく内外角を投げ分けながら打たせて取るのがゲーム前のプランでしたが、1打席目を見て『ホームランしか狙っていない』と思った。そこで真っすぐを排除して、全球フォークのつもりで打ち取りにいきました。加藤の場合は落ちるボールが打てない雰囲気を感じたので、ストレートは見せ球に。フルスイングをして強い打球を打つ感じをフォークでかわす。他の打者は内外角を使いながら抑えていきました」

 結果、清宮には3打数1安打。加藤には4打数0安打とマークしていた打者たちを抑え、さらに3回裏にはけん制でピンチを阻止。7対0と会心の完封勝利。決勝進出の原動力は間違いなく郡司 裕也のリードだった。

 東北悲願の大旗獲得がかかった決勝戦東海大相模(神奈川)打線のレベルをマスク越しで実感しながら、郡司は再び頭を働かせる。「少しでも甘く入ったらヒットにする技術がありました。4回までに6失点してしまいましたが、6回裏に追いついたことで『行けるじゃん』と。9回表にはサヨナラすることを考えていたんですが……」 

 しかし9回表、エース・小笠原 慎之介(現:中日ドラゴンズ関連記事)に甘く入ったフォークを捉えられた勝ち越し本塁打から4失点。「再び1球の重さを感じた大会でした。が、ここまで行くとは思わなかったですし、やり切ることができました」と今度は悔しさよりも充実感が上回る中、仙台育英は宮城県への帰路についた。

 そんな郡司には「侍ジャパン」のユニフォームが待っていた。主軸で競い合った平沢 大河(現:千葉ロッテマリーンズ)、エース・佐藤 世那(現:オリックス・バファローズ)らともに第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップのU-18代表選手に選出。今度は世界を極める闘いが始まったのである。

PHOTO GALLERY フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。