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第473回 二松学舎大学附属高等学校 大江 竜聖投手「ドラフト6位でもハートの強さで這い上がる!」【後編】2016年11月28日

【目次】
[1]最後の夏へ向けて取り組んだフォーム修正と走り込み
[2]指揮官が太鼓判を押す大江のハートの強さ
2年夏、3年春と甲子園逃した大江 竜聖。後編では、最後の夏へ向けてどんな目標を立ててスキルアップをしていったのかに迫った。3年間大江を指導してきた市原監督からも、メッセージをいただいた。
■2年秋までを振り返った前編は以下から!
「勢いで投げていた1年夏と投げる怖さを知った2年夏」
最後の夏へ向けて取り組んだフォーム修正と走り込み

大江 竜聖投手(二松学舎大学附属高等学校)
2年冬は、投げるスタミナがまだ足りないということで、冬も投げ込みを繰り返した。二松学舎大附伝統のポール間27往復も、投球練習をしない日は行ってきた。
こうしてしっかりと実力を蓄えて臨んだ春の都大会だったが、「あの時は調子が最悪でしたね。投げている感覚は全くしませんでした」 と振り返った大江。3回戦の日大鶴ヶ丘戦では4失点、準決勝の東海大菅生戦でも4失点を喫し、苦しみながら勝利したといっていい。大江は全く自分の投球内容に満足していなかった。そして進んだ関東大会でも、大江の調子は上がらなかった。このままでは夏は勝てないということで、大江は市原監督と一緒に投球フォームの修正を行った。
「投球フォームがインステップ気味になっていたので、その修正を図りました。インステップを直してから、6月ぐらいに千葉県の学校と練習試合でやったぐらいからですかね。少しずつ調子が上がってきたんです」
そして夏前でも走り込みを繰り返した。相手校の練習試合に帯同しないときは学校に残り、10キロ~15キロの走り込みをした。その効果は着実に現れた。
「あれをやったおかげで、最後の夏はこれまでよりも楽に投げることができました」
迎えた最後の夏。大江はこの夏に迎えるあたり、甲子園にいくまでの試合すべてで完投するつもりでいた。そのための投げ込み、走り込みをしてきた。大江は大会初戦から好投を見せる。3回戦の足立学園戦では、「まだ調子は仕上がっていなかった」と振り返りながらも、5回を投げて6奪三振、1失点の好投で4回戦進出。そして4回戦の都立広尾戦では8回を投げて8奪三振、1安打完封勝利と調子を上げていき、「大会の中で最も調子が良かった」と振り返る5回戦の都立小山台戦では、1安打、16奪三振の完封勝利でベスト8進出を果たした。快投のきっかけは第1打席で三振したことだった。
「絶対に打たせない!と燃えることができました」
闘志あふれる投球でベスト8進出を果たすと、準々決勝の都立江戸川戦では、初回に1点を先制、さらに6回裏に1点を取られて、3対2と1点差に迫られながらも要所を締めて2失点完投勝利。2年ぶりの夏の甲子園まであと2勝に迫り、準決勝の東亜学園との試合を迎えた。この試合、序盤から嫌な雰囲気があった。
「東亜学園の打者はコツコツと当ててくるチームで、何か嫌なチームで、リズムに乗り切れませんでした」
2対1とリードして迎えた5回裏に、一挙5点を取られ逆転を許す。そして6回裏にも1点を取られ、被安打11、7失点で降板した大江。7回に味方が4点を返すもあと一歩及ばず、6対7で敗れ大江の夏は終わった。
全試合登板した疲れが影響したのか?という問いに対し、大江は「確かに疲れはありましたけど、それは全く力が出ないという疲れではなかったですね。東亜学園の打者によって、リズムに乗り切れないまま失点をしてしまいました。悔しい敗戦です」と振り返った。