目次

[1]金沢監督の指導で素質が開花 夏までに高校通算61本塁打
[2]最後の夏は自分の打撃ができなかった
[3]坂本は技術で飛ばす選手。細川は純粋に遠くに飛ばす選手

 10月20日のドラフト会議にて、横浜DeNAベイスターズから5位指名を受けた細川 成也選手。高校通算63本塁打は茨城県では歴代最多。球団も、スラッガーとして高く評価している。その細川は入学当初は全くバットに当たらない選手だったという。指揮官もナインも「化けた」と思わせる成長を見せた、細川の3年間を振り返っていく。

金沢監督の指導で素質が開花 夏までに高校通算61本塁打

細川 成也選手(明秀学園日立高等学校)

 普段は物静かで優しい青年だが、181センチ85キロという恵まれた体格、二の腕の太さや太ももの太さを見ると、やはり威圧感がある。ベンチプレス130キロ、スクワット220キロと強靭な筋肉を持つ細川。細川はこの3年間、パワー強化と強靭なパワーを生かすための技術習得に時間をかけてきた。

 いわきシニアから明秀日立に進んだ細川。入学当時から長打力には自信を持っていたが、バットに当たる確率が低く、空振り三振も多かったという。だが、光星学院時代、坂本 勇人(現・巨人関連記事)、北條 史也(現・阪神)など数多くの強打者を育て上げてきた金沢 成奉監督の指導で、少しずつミートする確率が高まり、自慢の長打力も見せ始める。

「中学の時は本当に上半身だけで打っている選手でした。しかし金沢監督から下半身の使い方や股関節をうまく使うことを教わり、打撃フォームが固まってきました」

 またタイミングの取り方も学んだ。細川のスイングを見ると、振り幅が大きいスイングをしている。これは細川に限らず、明秀日立の選手にみられるスイング軌道だが、このスイングでボールをしっかりとコンタクトするには、振り遅れないことが大前提となる。そのために始動を早くすること。投手が投げたボールを長く見られるように自分なりのタイミングを掴んできた。

 そしてようやく本塁打を量産するようになったのは2年春から。レギュラーを獲得した細川は2年春の関東大会で本塁打を放つ。
「自分にとって公式戦初本塁打で真っすぐを打ったと思いますが、自分でも驚きの一発でした」

 本人にとって嬉しい一発。これで弾みがつくと思われたが...。チーム内で不祥事が起こり、2年秋まで対外試合禁止により秋の公式戦まで出場ができなかった。それでも地道な練習を積み重ねていく細川。

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