第447回 吉田 正尚選手(オリックス・バファローズ)「自分が持っているパワーを最大限伝えることができるか?」【前編】2016年10月25日

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【目次】
[1]体のパワー面で優位に立てた時期は1度もなかった
[2]吉田正尚の「トップ論」
[3]常識を疑った先に見つけたもの

常識を疑った先に見つけたもの

吉田 正尚選手(オリックス・バファローズ)

「子どもの頃から『バッティングは奥が深い』と感じていました」と話す吉田選手。バッティングに対する探究心は少年時代から相当強かったようだ。

「よくパソコンで動画サイトを見たり、野球雑誌を読んだりしましたね。しょっちゅうバッティングのことを考えていましたし、いいかもしれないと感じた練習法はどんどん試していました。そのかわり一回試してみて、これは違うなと感じたことは、指導者に言われても聞き流すようにしていました」

 野球界で常識とされていたことに対しても疑問を投げかけるタイプだった。吉田選手はひとつの例を挙げた。

「昔から日本の野球界では『バットは耳のそばからインパクトに向かって上から最短距離で叩け!』という指導法が根強いじゃないですか。ぼくも小学生時代から『バットは最短距離で!』『後ろは小さく!』と言われ続けてきたので、それが打撃における常識だと思っていました。でも中学生になった頃、『投球を点ではなく、線でとらえやすくするためにも、最短距離で上から叩くのではなく、後ろを大きくして、ややアッパー気味にバットを入れたほうが確率も上がるし、インパクトまでの距離が取れる分、ボールも飛ぶんじゃないのかなぁ?』と考えるようになったんです」

 疑問を感じていた時期に、当時ヤクルトに在籍していた青木 宣親選手(現マリナーズ)が自身の打撃論を語ったスポーツ番組がテレビで放映されていた。

「その番組の中で、青木選手は『投球のラインに長くバットを入れるためには、上から最短距離で叩くのではなく、後ろが大きいイメージでスイングした方がいい。そのほうがミート率も飛距離もアップする』といった内容の打撃論を展開していたんです。すごく合点がいきましたし、自分の考えは間違ってはいないと思うことができました」

 吉田選手は「といって、上から振り下ろす大根切りのような最短距離のイメージのスイングがダメというわけじゃないんです」と続けた。
「高めの速球など、大根切りのイメージでスイングした方がとらえる確率が高まるケースもあるからです。変化球ひとつとってもいろんな変化の仕方がありますし、スイングの種類がひとつだけではなかなか思うような結果は残らない。バッティングの確率をトータルで上げるためにも、数パターンのスイングを使い分けるべき、というのが自分の考え方です。ちなみにぼくはミートポイントに至るまでのスイング軌道を3パターン持っています」 

 後編では吉田尚選手が最後に語ってくれた3パターンのスイング軌道。そして高校球児へメッセージをいただきました。

(文=服部 健太郎)

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プロフィール

吉田 正尚
吉田 正尚(よしだ・まさたか)
  • オリックス・バファローズ
  • 経歴:敦賀気比-青山学院大-オリックス・バファローズ
  • ポジション:外野手
  • タイプ:右投げ左打ち
  • 身長体重:173センチ80キロ
  • 生年月日:1993年7月15日
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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