第413回 鹿取 義隆氏【後編】「侍ジャパン」への入り口に立つ投手・指導者たちへ2016年06月30日

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【目次】
[1]「動作解析」と「基本」が投手への道
[2]「上へ昇りつめてほしい」子供たちへ

 前編では鹿取氏に打撃投手の重要性、また正しい技術を学ぶ大事さを語っていただきました。後編では動作解析を行う大事さや、現在の中学世代に伝えているなどを教えていただきました。

「動作解析」と「基本」が投手への道

鹿取 義隆氏(侍ジャパンU-15 監督)

――では、そのような理論を持つ鹿取さんは現役時代、指導者の教えに対して疑問を持つことはあったのでしょうか?

鹿取 ありました。たとえば大学時代「ナイスボール!」といわれて、何が良かったのかが分からない。実はその疑問はプロ入りから現役引退するまでずっと続いていて、自分の何が良いのか、その「絵」が思い浮かばなかったんですよね。感覚はあるんですけど、映像が出てこなかったんですよ。ですから、僕は指導者としてスタートを切った1998年に「動作解析」を始めたんです。

 そうやって選手に良い時の投げ方と悪い時の投げ方を比べると、選手も「なるほど」と納得するんです。動作解析することで、良い時のフォームを目に焼き付けて、その再現性を高める。一方でいいフォームでない選手に対しても「何ができていないのか」を映像で理解させる。当時はそれほど広まっていなかったですが、これは少年野球からやったほうがいいですよ。今はスマホでも動画が撮れる時代ですから、良い投げ方をしっかりと撮って、目に焼き付けることが大事です。

――もう少し、投手に指導している内容を教えてください。

鹿取 「真ん中に投げろ」ということです。一般的には「アウトローを投げられることが大事」といいますが、プロでもアウトローにコントロール良く投げることはなかなかできません。まず真ん中に強く、コントロールできるボールを投げることがアウトローよりずっと大事です。実際にピッチングを見る場合は「カーブ行きます!」といっても、ほとんどボールの時は「もう7球連続ボールだよ!」と言って(笑)、真ん中にしっかりと投げることを教えています。

――では正しい投げ方を覚えれば、どんな選手でも投手になれますか?

鹿取 全員がなれると思いますよ。誰でもチャンスがある。私自身も捕手からのスタートでしたし、プロで活躍している投手も、ずっと投手だったわけではなく野手をやっていて、あるときに投手になって、それが一番力を発揮できるポジションだった選手もいます。いろいろなパターンがあると思いますが、正しい投げ方をできれば、投手になれるチャンスは出てくると思います。

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プロフィール

鹿取 義隆
鹿取 義隆氏(かとり・よしたか)
  • 高知商~明治大を経て1979年に読売巨人軍入りし、1990年に西武ライオンズへ移籍。19年間で755試合登板・91勝46敗131セーブの活躍を見せ、引退後は読売巨人軍の投手コーチなどを務めた。2006年には第1回WBCの日本代表コーチとなり、現在はテクニカル・ディレクターを務めながら昨年行われたプレミア12の投手コーチ、2014年・2016年のWBSC U-15ベースボール W杯で侍ジャパンU-15チームの監督を務めている。
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