名門・佐倉シニア出身で、順調に好投手として成長を見せていた島 孝明(東海大市原望洋)。この春。150キロ台の速球を披露し、驚異的な成長スピードを見せている島の投球を詳しく振り返っていきたい。

平均球速は驚異の146.56キロ!

島孝明選手(東海大市原望洋)

 それは突然変異といっていい進化ぶりである。
 昨秋から完成度の高い好投手だった島 孝明(東海大市原望洋)。球速は142キロは出ていて、スライダー、カットボール、カーブの精度も高く、内外角に投げ分けができていて、このまま常時140キロ~145キロぐらいは出るようになれば、ドラフト候補になるのではないかと予想をしていた。冬が明けてからの島の成長は想像を超えるものだった。

 29日の市立船橋戦で、最速153キロを計測したニュースが広まり、島の注目度が一気に高まった。そして準々決勝・木更津総合戦。木更津総合のエース・早川 隆久の投げ合いが実現するかもしれない。そういう期待もあって、千葉県野球場には多くの観客が集まった。島は先発をせず、リリーフで待機。
 2年生投手・金久保 優斗は好投。このまま完封するかと思われた試合内容だったが、8回表に1点を取られて、無死一塁で、打席に立ったのは第1打席で安打を放っている注目打者・峯村 貴希だ。ここで投手交代。島がマウンドに登ったのだ。島の登場にスタンドはざわつく。投球練習から勢いのあるボールを投げ込み、さらにざわつく。

 まず峯村をセンターゴロに打ち取り、一死一塁。2番井上には、一気にギアを上げた島は、147キロを連発し、最後は147キロのストレートで空振り三振。3番小池には左前安打を打たれたが、4番鳥海 嵐万に対してはこの試合、最速148キロを計測し、こちらもストレートで空振り三振と圧巻のピッチングを見せた。そして9回表も、1年生打者・野尻 幸輝を147キロのストレートで見逃し三振に打ち取り、さらに代打・山本航也はストレートでねじ伏せ、三邪飛。そして最後は代打・大熊 啓夢を良い当たりの中飛に打ち取り、準決勝進出を決めた。

 島はこの試合で、140キロ後半の速球を連発。昨秋、計測した時、142キロが最速だったが、今回は148キロと6キロスピードアップ。さらに1球程度ではなく、147キロは8球、148キロは5球と、135キロ~130キロ後半がアベレージだった昨秋よりも、約10キロも速くなっているのだ。

 この試合、直球は16球計測できたが平均球速は146.56キロと高校生のレベルを超越している。それもコントロールが良いとなれば、高く評価されるのも当然だ。剛速球をコントロールできているのは、投球フォームの良さにあり、左肩の開きが抑えられた上に、上半身・下半身・体幹の部分がうまく連動しているので、いわゆる腕が強く振れるフォームになっている。また多くの速球投手はリリースポイントがばらけやすいが、島はリリースポイントが安定していて、しっかりと意図通りにストレートを投げることができている。その点も素晴らしい。

 昨秋から藤平 尚真横浜)、髙田 萌生創志学園)などドラフト候補に挙がる投手をいろいろ計測したが、島以上の最高球速、平均球速を計測した投手は誰もいない。そのため高校生最速右腕にしたいところだが、150キロ台を連発しているという梅野 雄吾九産大九産)の存在がいるため、東日本最速右腕とした。

 島は速球ばかり注目されているが、130キロを超えるスライダー、100キロ台のカーブと、変化球の精度も高い。がむしゃらに速球を押すことはしないので、なかなか考えて投げる投球ができる投手でもある。

 それを考えると、夏までうまく調整をして、さらに進化を遂げれば...。高校生ナンバーワン右腕と呼ばれていてもおかしくない。

(文=河嶋 宗一

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