目次

[1]3年以上使えるグラブが欲しい / 雨の日の翌日に生まれる硬さを求めて
[2]好みは小さめのグラブ / クロスウェブにこだわる理由とは
[3]ポケットは3つ作るのが藤田流

「大学時代は道具を後輩が試合会場まで運んでくれていたのですが、ぼくはグラブだけは必ず自分で持って行ってました。道具の中でもグラブは特別な存在なんです」
テーブルの上に置かれたミズノ製のグラブに視線を送りながら、そう語った藤田 一也。ミズノのグラブとの付き合いは近畿大学時代からだ。
「それまではいろんなメーカーのグラブを使いましたが、やっぱりミズノさんのグラブが一番長く使えるんです」

 2013年から2年連続でゴールデングラブ賞を獲得し、2014年にはセカンドを140試合守りながら、わずか4失策、守備率.994を記録した名手のグラブ論。いったいどんな話が聞けるだろうか。

3年以上使えるグラブが欲しい

藤田 一也選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)

 試合用グラブの候補が手元に届けられたときにチェックするのは、はめたときに自分の手にフィットしているかどうかです。同じ型で作っていただいても、革の質や手を入れたときの感覚はやはり微妙に異なる。手に入れたときの感覚がもっともいいグラブを試合用に育てていきます。
ミズノさんには硬くて、長く持ちそうな革で作ってもらうよう、要望を出しています。ぼく自身は、できればひとつのグラブを3年以上使いたいという思いがあるのですが、最初に硬い革で作ってもらわないと3年使えるグラブって生まれないんです。

 ある程度、柔らかくしてもらった状態で新しいグラブをメーカーさんに届けてもらう選手は少なくないですが、ぼくは柔らかくする加工は一切施されていない、カチカチの状態で届けてもらい、半年から1年かけて試合で使えるようにならしていきます。

 ぼく自身は、ならし終わった段階においても、硬めのグラブが好きです。柔らかいグラブはどうも好きになれない。特にこだわるのは土手から親指にかけての部分の硬さ。ここがしっかりしていないとどうしても全体的にしっくりとこないグラブになってしまいます。

雨の日の翌日に生まれる硬さを求めて

 土手の部分のヒモは抜いた状態で作ってもらっていますが、何年か使ううちに土手の部分がへたって柔らかくなってくるんです。そのときにぼくは土手のヒモを入れてもらうようにしています。その作業を行うことで、へたって柔らかくなった土手が、使い始めて1年目の頃のようなしっかり感を取り戻してくれる。結果、長く使えることにつながっていきます。

 個人的に一番好きなのは、雨の中でグラブを使用した日の翌日に生まれる独特の硬さ。雨が降っていない日に使用した時は、その都度、水が入った霧吹きを使ってグラブをしめらせ、その後、陰干しすることで、自分好みの硬さを保つようにしています。
手入れの際にオイルを使用するのはグラブが色落ちしたり、かさついたりした時くらい。捕球面に塗ったりすることはまずないですし、基本的にはほとんど使いません。

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