今シーズン、打率.317、15本塁打、67打点と1年間通して活躍した清田 育宏選手。そんな清田選手からトレーニングを取り組む上で大事な考え方と、高校球児へメッセージをいただきました。パワー、スピードを兼ね備えた野手になるための方法論、理論が満載です。
1年間143試合、バテずにプレーができる体作りが基本
入団6年目を迎えた今シーズン。千葉ロッテマリーンズの外野手のレギュラーに定着した清田 育宏は、130試合に出場すると、自己最高の打率.317をマーク。さらに、15本塁打、67打点と長打を武器にチームの勝利に貢献した。それでも、清田は、パワーヒッターの言葉に謙遜(けんそん)する。
「僕はホームランをガンガン打つような選手を目指したいというよりも、二塁打を多く打てるような選手になりたいという目標があります。今年の15本というのは出来過ぎだと自分では思っていて、しっかり振って、右中間左中間に強い打球が打てればいいなと常に考えています」
シーズンが終わってみれば打率.317と安定した数字を残したが、開幕前の今季の清田の目標は、もっと明快なものだった。
「絶対3割打ちたいとかホームランを2ケタ打ちたいとか、数字の目標ではなく、1年間1軍で試合に出続けたい!というのがシーズン最初の目標でした。そのために、1年間143試合、プレーできる体を作らなければならない。夏場でもバテず、周りの選手がバテたところでどれだけ伸びることが出来るかが1年間の成績につながってくると思っていたので、まずは、1年間戦力として出るということが目標でした」
前年の2014年は、一軍出場24試合にとどまったが、ファームではプロ入り後、初の規定打席に到達した。そこで、1年間試合に出続けることで、必ず直面するバッティングの浮き沈みの際の結果の捉え方を自ら学んでいった。
「調子の良くない時期が、長期間続かなかったのは、1日1日考え方を変えて、ダメなら次、次、とやっていたのが良かったのかもしれません。2日間打てなくても、3戦目に2本打てばいいやとか。そういう感覚で打席に立てていたので、1年間数字を残せたのかなと思います」
もちろん、一軍に上がってから活躍が続けられたのは、マインド面だけではない。先に清田が話していた「1年間143試合プレー出来る体作り」は欠かせない。
昨今の清田の体作りの取り組みとして、まずは、2月のキャンプ初日を1つの指標として、オフシーズンのトレーニング計画を立てていく。
初日から、全力でバットを振ることができる体、全力で走ることができる体に仕上げておく。そして、何より、キャンプの時期に「ケガをしない体にすること」が一番のトレーニングのテーマだと清田は話す。
そのためのトレーニング内容は至ってシンプルだ。