目次

[1]速く走るためには3つのポイントを意識している
[2]陸上では大股で、野球では足を速く回転させて走ることが求められる
[3]来年はオコエ選手の三塁打のタイムを追い抜きたい

 現在は俊足をウリにする選手も多くなっているが、その中でも群を抜いた脚力を持つ選手が少なからずいる。佐野日大五十幡 亮汰もその1人だ。

 ご存知の方もいると思うが、五十幡は中学時代、東京神宮リトルシニアでプレーする傍ら陸上部に在籍し、100メートル、200メートルで全国大会優勝経験を持つ俊足の選手だ。しかも、今年高校生ながら世界陸上に出場したサニブラウン・ハキームに勝利したのだから恐れ入る。

 そんな五十幡選手にこれまでの野球と陸上の関わりを振り返りつつ、速く走るためのコツ、そして野球選手として課題に置いていることを伺った。

速く走るためには3つのポイントを意識している

走る五十幡 亮汰選手(佐野日本大学高等学校)

 日の入りが早くなっている11月。暗くなると選手の顔が分かりにくくなってくる。171センチ63キロと五十幡は決して大きい選手ではなく、多くの選手の中に混じるとよく分からない。しかし走るメニューとなれば、一目で五十幡の姿が分かる。何といっても速いのだ。
ストライドが大きい走行、群を抜くスピードで一緒にスタートを切った選手を大きく引き離し、快足を飛ばす五十幡の姿を見て思わず「速い!」と声を上げてしまうほどだ。

 五十幡はいかにして、ここまでの俊足選手になったのか。五十幡は幼稚園の時はサッカー少年で、外に出ることが多く、動き回ることが好きだったという。
「今思えば、幼稚園の時からとにかく走り回っていたからこそ足が速くなっているのかもしれません」

 小学1年から野球を始めた五十幡は、駆けっこでは常に一番。中学では野球部が軟式しかなかったので、東京神宮シニアでプレーしながら陸上部に入部した。硬式野球をしながら陸上部に参加する球児は多いが、五十幡は中学トップクラスの陸上選手になった。陸上部ではどんな教えがあったのだろうか。
「僕が教わったのは3つです。走り方が修正されたことはありませんが、スタートをしっかりと切ることと、太ももを自分が上げ過ぎと思うかもしれないぐらい大きく上げて、そして力を抜いて走ることですね。そうするとタイムがぐっと上がったんです」

 陸上競技といえば、コンマ何秒を争う世界。それだけスタートは大事だ。が、スタートを意識しすぎるとガチガチになってしまいそうである。だからこそ力まないで走ることが大切だという。力まない時はどんな心境で走っているのだろうか。五十幡はしばらく考えた後、出した答えは
「何も考えないことですね」

 何も考えない。この考えに至った理由を聞くと、
「タイムが悪い時は、何か余計なことを考えていて、集中できずにスピードも出ていないんです。二冠を取ったときも力を抜いて走ることができたからこそ優勝できたと思います」

 力まないことは野球界でも大事にされているテーマだが、それは陸上でも同じことだった。

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