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第320回 初芝橋本高等学校 黒瀬 健太選手 「誰からも応援される球界を代表するホームランバッターになりたい」2015年10月07日

【目次】
[1]木製バットを飛ばすコツは詰まることを恐れないこと
[2]常に感謝の気持ちと謙虚さを忘れずに
[3]年上の世界にも混じった世界でも萎縮することなくプレーしていきたい
高校野球通算97本塁打を誇る黒瀬 健太選手。今回は春から夏までの軌跡を紹介しつつ、プロ入りへ向けてどんな思いで過ごしているのかを伺った。
木製バットを飛ばすコツは詰まることを恐れないこと

黒瀬 健太選手(初芝橋本)
高校通算97本塁打。初芝橋本の黒瀬 健太は春季大会前の練習試合で一塁に帰塁した際に肩を痛め、夏も万全の状態でなかったにも関わらず全国最多の本塁打を記録した。引退後も1、2年生に混じって汗を流し、紅白戦では後輩相手に木製バットでガンガン放り込む。冬の間に竹バットで振り込み、練習試合が解禁となってからも、金属バットよりしっくりくるとの理由から木製バットで試合に臨んだことも。そして木製バットで3本のアーチを描いた。中でも快心の一発は金光大阪との練習試合で放ったものだ。
「木のしなりを感じながら打てました。打球のノビも金属バットとは全然違うノビ方をしていたので、あのホームランは気持ち良かったです」
と木製バット特有の感覚もつかんでいる。
金属バットは芯で捉えなくてもある程度飛距離が出るが、木製バットは芯に当てないと飛ばない。一般的に木製バットの難しさはこのように言われることが多いが、実際に木製バットを扱う時に最もやっかいないなのは詰まらされた時だ。詰まらされると痺れるだけでなく痛みが走る。そのため、詰まるのを恐れてスイングが小さくなり自分の形を崩す、というのが最初に乗り越えなければならない壁だ。
黒瀬も最初はビビりながら振り、先っぽにしか当たらないこともあった。克服のカギはフルスイング。中田 翔(現日本ハム・2009年インタビュー 2014年インタビュー)、森 友哉(現西武ライオンズ・2014年インタビュー)らの打ち方やバットの使い方を参考に、しっかり振れるようになってからは、芯で捉えられる確率が上がったという。
高校3年間での成長を
「野球に対する取り組み方も変わったと思いますし、人間性を重視している監督さんなので、一番は人間性ですかね」
と話す黒瀬だが、入学時は、凡打では一塁まで全力疾走を怠り、集合時には集中力を欠きフラフラする姿が目立ち、マスクをかぶっていても打撃結果がそのまま守備にも影響するなど、意識と興味は自分のバッティングに向けられていた。
「打てない時に何が出来るか。打てなくても守れるし、守りでミスしても声を出せる。打てなくても惹かれる選手になれ」
人間性を重視する芝野 恵介監督の教えを受けた黒瀬は徐々に取り組み方が変わり、本塁打を量産し注目されることが増えていっても常に謙虚な姿勢は崩さなかった。