第315回 オリックス・バファローズ 金子千尋投手「『ハイクオリティピッチング』の変遷とベース」2015年08月04日

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【目次】
[1]「罪悪感」からの巻き返しへ / 投げ込みを「しなかった」高校時代と「してけがをした」社会人時代
[2]フォームを意識して「低め」を編み出す / 変化球からストレートへの意識。そしてアプローチの大事さ
[3]技術を支える食と休養で「全力で挑む」

フォームを意識して「低め」を編み出す

金子千尋投手(オリックス・バファローズ)

 そして2007年後半戦からは晴れて先発ローテーションに入った金子千尋投手。ここで中継ぎ時代から意識下にあったことの「気付き」がその後のピッチングスタイルを決定付けていく。

金子 試合で沢山投げさせてもらうようになってから、低めを意識して投げたり、逆に意識しないで低めに行ったり行かなかったりということがある中で「何がそうさせているのか」を考えて行き着いたのは「ピッチングフォーム」ですね。
投げたくてそこに投げるのではなく、この投げ方ならそこに行くという投げ方をすること。ということは力む必要もなくなるわけです。

 意識を「コース」でなく「フォーム」に置く。常識とは逆の理論。さらに自らの特徴をつかんだからこそ行き着いた結論だ。

金子 僕の場合は、低めに投げようとすると、上体が突っ込んでしまい、肩の開きが早くなり、ボールが抜けることがあるので、低めを意識しなくなりました。さらに「投手は高めの方が強い球がいく」とよく言われますが、僕はそれをうまく利用しようと思いました。そのために、どういう変化球が必要なのか、どういうピッチングスタイルが必要なのかを意識するようになりました。

 僕はフォームの中で無理がなく、何も考えずに投げられれば高めにいきます。立ち投げのような感じで。そうするとリラックスして投げられるようになって、意識してないのに低めに行くんですよ。「あ、この感覚なら低めに行くんだ」と。
この感覚をつかんだことで、下半身を我慢すると上半身がついてきて、しっかり前で放せる。これがはまりました。僕の中でそれが徐々に当たり前のフォームになってきました。

変化球からストレートへの意識。そしてアプローチの大事さ

 加えて、金子投手の意識はフォームに加え、球種にも施されている。

金子 変化球を投げていて「この変化球だと低めにいく」という球があったので、その時のフォームにストレートも近づけるようにしました。よく「ストレートに合わせるために腕を振る」とかあると思いますが、その逆ですね。低めにいく変化球を参考にしてストレートを投げる感じです。

 ここまで金子投手の話を聞いた高校球児の皆さんは、ひょっとしたら疑問に思うかもしれない。「この理論は指導者から教わっている理論とは全く違う」と。
ただ、大事なのはそれぞれの「意識」に対しどのようにアプローチをかけるかだ。

 現に金子投手は、「『低めにいく変化球は何を意識すればできるのだろう』ということを意識していますね。例えば、体をちょっと後ろに残して、リリースを前に持ってくることや、ただリリースを体の前に持ってくるだけではなく、顔の前でのリリースを意識するなどですね」と話した後、「それを自分の中で探す作業が大切」と話している。

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プロフィール

金子千尋
金子千尋(かねこ・ちひろ)
  • オリックス・バファローズ
  • 経歴:長野商高-トヨタ自動車-オリックス・バファローズ
  • ポジション:投手
  • タイプ:右投左打
  • 身長体重:180センチ77キロ
  • 生年月日:1983年11月8日
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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