目次

[1]猛練習から掴んだレギュラーの座
[2]選抜は自分の野球人生を占う重要な大会

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 昨秋、公式戦4本塁打を放ち、一躍、ブレイクを果たした静岡安本 竜二選手。4本塁打、長打率.947と出場32校の主力選手でトップの成績を残した安本選手の目標は「優勝」と「高卒プロ入り」だ。入学当初、軟式出身でまだ無名だった安本選手がいかにして、プロ注目選手まで登り詰めたのか。その過程を振り返っていく。

猛練習から掴んだレギュラーの座

安本 竜二選手(県立静岡高校)

 静岡県の小中学生にとって、伝統校・静岡は憧れの存在。安本もそんな一人だった。

「自分が中学生の時に地元だったので、静岡高校を見に行くことが多くて、単純にユニフォームがかっこいいと思っていました。このユニフォームを着て野球をやりたかったのが一番ですね」

 静岡市立安倍川中を卒業して、静岡高校に入学した安本。入学当時、安本は目立った存在ではなかった。
「入学当時の姿を見たら、ここまでの選手になるとは思いもよりませんでした」
と栗林監督が安本の入学時をそう振り返る。安本は、
「本当に自分は実績がなかったので。周りの奴らはシニアなど活躍してきた選手ばかり。同学年の奴らに勝つために一生懸命練習を行いました」

 打つ、投げる、捕る。その練習をがむしゃらにこなしていった。豊富な練習量をこなせる体の強さは、安本の強みだった。こうして安本は成長を果たし、1年秋にライトでレギュラーを獲得。大会後にショートへコンバートとなった。
「中学時代まで内野手でしたので、ありがたいと思いましたね。ここで勝負をして、絶対にレギュラーを勝ち取ろうと思いました」

 安本は2年夏では5番遊撃手のレギュラーを獲得し、甲子園に出場。星稜戦(試合レポート)では3打数2安打と結果を残したが、初戦敗退。甲子園を振り返って、安本はプロ入りした岩下 大輝の投球の凄味を感じていた。
「とにかくストレートも速く、変化球も切れていて、受け身に感じていました。速いと感じてしまうのは、まだまだだと思いますし、またエラーをしてしまったので、もう1回、成長した姿で戻ってきたいと思いました」

 秋に向けて、もう一度、走攻守の基本を見直し、取り組んできた。そして調子が良い状態で臨むことができた秋季大会では爆発をみせる。特に東海大会では圧巻だった。初戦の土岐商戦では、2打席連続本塁打。1打席目はスライダーを捉えて、レフトスタンドへ運ぶと、2打席目は甘く入ったストレートを逃さず、左中間の奥深くへ打ち込んだ。
そして日大三島戦(試合レポート)では好投手・小澤 怜史(インタビュー【前編】【後編】)からバックスクリーン右に打ち込む本塁打。安本にとっては会心の本塁打だった。

「最初は上がりすぎかなと思ったのですが、自分はバックスクリーンの方に本塁打が打てるのを理想にしていたので、本当に良かったです」

 大きな手応えをつかんで、明治神宮大会に臨んだが、無安打。この試合を振り返って安本は、
「内容自体は悪くなかったのですが、しっかりと捉えきれないところに課題を残しました。相手の勝俣 翔貴インタビューは、縦スライダーが本当に低めに決まっていたので、そういうところが全国レベルの投手なのかなと思っていました」

 秋が終わって課題にして取り組んでいるのは、再び打つ、捕るなどの技術面のレベルアップ、体力面のレベルアップだ。

「打撃では速い球に振り遅れないことにこだわり、広角に強い打球を打てるように心がけています。そして初球の見極めが僕の課題なので、見極めをしっかりとして、さらに打ち損じを少なくできれば。態勢を崩されても、強い打球を打てることにも追求しています。守備では、恰好にこだわるのではなく、アウトを何としてでも捕る泥臭い守備を求めています」

 攻守に磨きをかけるために、プロ野球選手の映像を見たり、インタビューを読んだりすることを欠かさない。

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