前編では今季の目標、また4月19日を終えて、パリーグ打率1位を走る打撃のメカニズムについて、用具のこだわりについて語っていただいた。後編では高く評価されている守備、走塁の意識づけ、またベストパフォーマンスを発揮するためのグラブのこだわりについて触れていく。
大切に使うグラブの秘密

秋山 翔吾選手(埼玉西武ライオンズ)
――守備や走塁について、秋山選手も進化されている部分もあると思います。
秋山 もう少しスパイクの力を借りることができるように(笑)、自分も進化しないといけないと思っています。守備に関しては前にも後ろにも対応できるように捕ってすぐ投げられるように、とっさの動きにスパイクが対応できるよう、ボールと自分がコンタクトしたときに道具の力を借りるような流れを心がけています。
――その道具という部分ではグラブですが……使い込んでいますね。
秋山 2011年に埼玉西武ライオンズに入団してからずっと試合ではこのグラブを使っています。
――このグラブを使い続けている理由はどこに?
秋山 今年は充て布とかも使っています。これは今年使いこなせるかは僕自身の課題になります。ただ、このグラブは自分でもしっくりきますし、プレーに支障が出ないものだと思っているので。紐を変えたり、いろいろなところを補強してもらったりもしてもらっているので、このまま使い続けられていますね。本当に感謝しています。
――このように用具を大切に使う思考は、横浜創学館高、八戸大(現:八戸学院大)時代もそうだったのですか?
秋山 高校・大学時代はお金もなかったですし、ある意味「使い続けるしかなかった」ですね。そして自分の性格的に「新しいものにいけない」ところがあると思うんですが……。ただ、このグラブは大きなミスが出たり、プレーに支障が出るようなら変えないといけないと思いますが、今までやってきて、ゴールデングラブ賞も1回(2013年)獲らせて頂きましたし、試合で使える状態にして頂いている以上、大事に使いたいと思っています。
――その5年目に入るグラブの特徴はどこにありますか?
秋山 「長さ」だと思います。他の外野手の方よりも二回りくらい大きいですね。指の長さが長いんですよ。
――確かに!長い!
秋山 これ以上大きくしようとは思いませんが。一回り小さいグラブも過去には試したこともありますが、この長さにやはり慣れているので。あとは小指の深さが特徴です。
――小指が深いのはなぜですか?
秋山 普通のグラブは浅い握りをイメージしていると思いますが、僕は指の長いグラブになっている分、しっかり手を入れたい。手のひらに近い感覚を考える中で、この形になりました。