レオの頼れるリードオフマンが躍動している。悔しい昨シーズンを踏まえ、「打ち・守り・走る」全てにチャレンジを試みるプロ5年目の秋山 翔吾外野手。4月19日を終えて打率.397と、パ・リーグ1位にランクインしている打撃ばかりでなく、中堅手での守備や先を狙う走塁でも埼玉西武ライオンズを力強くけん引している。
そんな秋山選手が中堅の域に入ったからこそ、高校球児へのアドバイスも含め、実直をにじみ出して熱く語ったインタビュー。今季好調の秘訣と「野球への想い」は全てここにある。
2015年の挑戦は「フルイニング出場」

秋山 翔吾選手(埼玉西武ライオンズ)
――埼玉西武ライオンズ・秋山 翔吾選手は2015年・挑戦のテーマを「フルイニング出場」として、4月19日現在・17試合ここまでその公約を達成しています。まずこのテーマを掲げた理由について、まず教えてください。
秋山 翔吾選手(以下、秋山) フルイニング出場はけががあったらできないことですし、結果が残らないとできないことですので、これが一番の目標になります。
――逆にフルイニング出場ができれば、いろいろな結果は得られるだろう、得ないといけないということになりますか?
秋山 チームの状態にもよりますが、やはり結果を出している選手は試合に出ています。そして「フルイニング出場」というものは打つだけでもダメだし、守るだけでも達成できません。ですので、フルイニング出場が僕のテーマになると思っています。
――そのフルイニング出場を達成するために、今取り組んでいることはありますか?
秋山 やることはいっぱいありますし、昨年の成績では(131試合出場・打率.259)ではフルイニング出場はできません。実際、昨シーズンはファームにも落ちて試合に出ることが叶わなかったので、攻撃も守備も走ることも、体力作りも含めて一年間戦うための準備期間と考えています。
軌道を「点からライン」に変えるための操作変更
――その「準備期間」について少し細分化してお話を聞かせてください。まず打撃をどのように伸ばしていきたいですか?
秋山 ホームランや飛距離を出すためにはバットの芯で打たないといけないので、捉える力を付けること。あとはシーズン中に疲れた時や苦しくなったときのために、数を振って体力を付けることを意識しています。あとは打点は打順によって数が変わってきますが、やはり打率3割を出していく、ヒットを積み重ねていくことが野手としての1つの目標ですね。これは毎年言っている目標なんですが、やっていきたいですね。
――「振る」という部分は体力や精神的要素の強化が大きいですが、技術的なアプローチで取り組んでいるテーマはありますか?
秋山 昨年は変化球に対し空振りや捉えきれないことが多かったので、構えの時にグリップの位置を下げて軌道を合わせられるように。「点」ではなく「ライン」で合わせられるようにしようと思っています。これが今までできなかったので、しっかり取り組んでいく。これが技術的テーマかもしれないですね。
――では、今まではわりと「点」で捉える意識が……。
秋山 その通りです。上から捉えにいってバットを振る感じでした。このスイングは真っ直ぐに対しては軌道を取りやすいのですが、変化球になると対応しづらいところが結構ありました。ですので、今年はやらないといけないと感じているんです。 実際、キャンプ序盤では変化球をフリーバッティングでは打っていなかったんですが、そこから真っすぐをラインで合す形で打っていいます。この形で数を振ってフォームを固めれば、自分のイメージしているものには近づいてくると思っています。