Interview

二松学舎大附バッテリー 大江竜聖×今村大輝! 「5季連続甲子園出場を果たし、歴史に名を刻みたい」

2015.02.19

 今春のセンバツに11年ぶり5回目の出場を果たした二松学舎。その原動力となったのは、昨夏の甲子園では1年生バッテリーとして活躍して話題となった大江 竜聖投手と今村 大輝捕手だ。新2年生ながら、経験も豊富で主軸としてチームを引っ張るバッテリーに、これからまだ先の長い高校野球生活への思いや将来への夢、そしてセンバツへ向けての決意などを語ってもらった。

夏の甲子園の「あの1勝」までの道のり

二松学舎大附・大江 竜聖投手

――センバツ出場が決まって、1カ月近くになりますが、気持ちとしては高まってきたというところですか。

大江 竜聖投手(以下、大江) はい、気持ちは『センバツを勝つ』というところに向かって、一つひとつを大事に取り組んでいます。

――今回の場合は東京都準優勝での選抜出場が決まりましたが、発表を待っている意識としてはどうでしたか?

今村 大輝捕手(以下、今村) 行けるということは、信じていましたけれども、緊張はしていました。でも、決まってみると、あまり実感が沸かなかったです。

大江 ただ、選ばれなければそれはそれで、(夏へ向けて)切り替えようという気持ちではいました。

――結果としては、いい報せを受けられてよかったですね。

今村 大江 はい、そうでした。

――昨年の夏の甲子園を経験した時に、感じたことはどんなことでしたか?

大江 スタミナの不足とか、全国はすごい選手がいるなということを実感しました。もっと力をつけないといけないと感じました。

今村 僕も、1年生で気持ちだけは3年生にも負けないつもりでいたのですけれども、技術の足りなさは感じましたから、しっかりやり直さなくてはいけないなと思いました。

――甲子園で勝てたということに関してはどうですか。

大江 スタンドを見ていても二松学舎としては夏の甲子園の一勝は大きいことだとは思いました。ただ、自分たちにとっては、それよりもやれることをやれて、それで勝てたという気持ちでした。

今村 夏の甲子園で、2試合戦えたことに関しては、ある程度納得はしています。

――進路として二松学舎という学校を選択した理由を聞かせてください。

大江 2年上に中学時代に同じチーム(横浜ヤング侍)にいた先輩がいて、その先輩に憧れていたということが大きかったです。

今村 中学1年の時から立野先生(部長)からも声掛けていただいていました。それで、一昨年の夏の修徳に負けた決勝戦を見て、自分がここで貢献して夏の甲子園に行きたいなぁと思って選びました。決勝で負けていたジンクスを自分たちで覆したいと思いました。

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[page_break:大江・今村バッテリーの誕生]

大江・今村バッテリーの誕生

二松学舎大附・今村 大輝捕手

――2人が最初にバッテリーを組んだのは、いつですか?

大江 今村は最初からAチームにいたのですが、自分がAチームに上がって、(バッテリーを)組んだのは6月になってからでした。そんなに長いイニングではなく、それも何試合かに一度くらいでした。

――組んでみて最初の印象を教えてください。

大江 的も大きいですし、とても投げやすかったですね。キャッチングも、しっかり取ってくれるなという印象でした。

今村 左投手で、あまり恐れないでどんどん攻めてくるので、取る方としても楽しかったですね。

――大江君の持ち球もできれば教えてください。

大江 真っ直ぐとスライダー、カーブにフォークもあります。決め球としては、インコースを攻めるストレートです。

今村 秋の段階で、141キロ出ていたので、今はもっと球速は出ていると思いますよ。

大江 自分としては、球速を上げていくことよりも、それ以上にコントロールをつけていくことが大事だと思っています。

今村 冬の間の走り込みの成果もあって、球の威力は増しています。それは、毎日取っていても実感しています。

取材メモ
 二松学舎の場合の走り込みトレーニングは、チームのトレーニングとして、レフトとライトのポール間を全力ダッシュで往復するというメニューがある。これを27本こなすことをノルマとしている。27本というのは、1本1アウトという考え方で、27アウトで試合終了となるからである。市原 勝人監督は、「試合でもそうですけれども、25個目のアウトあたりから苦しくなるじゃないですか。ダッシュも同じで、苦しくなったところで、心と体のスタミナをつけていくということです」という意図で、あえて27本という数を設定したのだという。

 加えて、スクワットや投げ込みによって、テーマでもあるスタミナ強化にも取り組んできた。ひと冬越えて、確実にパワーアップはしているはずである。実際、捕球をしながら今村君はそれをミットで実感している。

――投球の組み立てというのは、今村君がリードしていくという形ですか。

今村 基本的には、自分が組み立てていくんですけれども、勝負の時になると、大江もたまに首を振る時があるんです。そういう時は、自分の投げたい球を投げさせるようにしています。

――それは、自分の持ち球で攻めていきたいというところがあるからでしょうか?

大江 そうですね。

今村 自分としては、かわしていきたいなというよりは、やはり強打者ですと、内側に投げていくとリスクもあるので、外で勝負しようかなというところで、大江がそういう時こそインコースに投げたがってくるんです。

大江 変化球でかわすというよりは、強気で攻めていくというタイプだと思っています。

――三振に関してはどういうこだわりがありますか?

今村 大江より、自分の方が三振を奪いに行こうかなという時がありますね。そういう時は、少し冷静になって打たせて取れる時は打たせて取るようにしなくてはいけないな、という意識はするようにしています。

大江 自分としては三振はそれほど意識はしていません。2ストライクになって直感でいけるかな、という時は狙っていきます。

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新チーム発足から、センバツに向けて


甲子園での活躍が期待される二松学舎大附のバッテリー

――甲子園から帰って来て、新チーム発足まで慌ただしかったように感じられます。

大江 やはり、疲労がありましたから、帰って来てからはあまり投げないで、ランニングだけで調整していました。

――スケジュール的にはすぐにブロック予選が始まってしまいましたが、チームとしての調整はどうしていましたか?

今村 自分たちバッテリーだけではなく、夏を経験した選手が多いので、すぐにチームは出来あがるので大丈夫だろうという気持ちはありました。

――自分たちも含めて、今のチームは下級生が多いチーム構成になっているけれど、そのあたりは、当事者としてはどう考えていますか?

今村 上級生と下級生のコミュニケーションは、とれていると思います。

大江 上級生の人も優しいです。

今村 気持ちとしては、自分たちが中心になってぐいぐいと引っ張っていくという意識でやっています。

――前のチームでは3年生と一緒にやっていたというのはどうでしたか?

今村 自分たちがやりやすい環境というか、それを一番に考えてくれていたと思います。

大江 入学した時も、すぐに先輩からも声を掛けてもらえて、とてもなじみやすかったです。

今村 これだけ1年生が伸び伸びとやれる環境を作ってもらえたというのは他にはないんじゃないですか。

大江 それは、誇れるくらいだと思います。

――そのあたりも含めて、二松学舎を選択したのはよかったということになりますね。

大江 そうですね!

――学校とグラウンドが遠い(1時間半ほど要する)というのはどう思いますか?

大江 そのことも、それで時間の大事さ、時間を大切に使うということを学びました!

今村 無駄な時間を作っちゃいけないなということは、思います。そういうところは、自分で成長したところです。

取材メモ
 二松学舎の校舎は千代田区九段下で地下鉄九段下駅から徒歩数分の千鳥ヶ淵のほとりにある。野球部グラウンドは、千葉県の柏市内に、大学の柏沼南キャンパスと二松学舎柏中学・高校の校舎とグラウンドのある敷地で、両翼92㎝、中堅115mで照明塔も8基ありナイター練習も可能となっている。寮も、グラウンドに隣接しており、4人1部屋で現在、今村君は大江君含めて同学年の投手陣3人と同室になっている。

――これから甲子園のセンバツ大会へ向けて、モチベーションも上がっていくと思いますが、今大会での目標を教えてください!

大江 東京代表という意識を強く持って、1試合でも多く試合をしてきたいと思います。

今村 秋季大会で)一度負けて、悔しい思いもしていますから、東京2位ですが、実力を全国に見せつけたいと思っています!

――技術的な面ではいかがですか?

今村 夏は少しリード面での焦りもありましたから、配球をもっといろいろ考えていきたいと思います。

大江 それに、応えられる投球をしていきたいです。

――最後に、高校生活での目標と将来の夢を。

大江 5季連続で甲子園出場を狙えるのは(チームメイトの)三口 英斗含めて、僕たちだけですから、ぜひ目指したいです!

今村 東京で5季連続出場を果たして歴史に刻みたいですね。それと、やはり日本一です。

大江 将来的には、プロ野球選手になれるように頑張りたいと思っています。

今村 自分は、小さいときからメジャーリーガーに魅力を感じていましたから、そこの舞台を目指していきたいです!

 大江選手、今村選手、ありがとうございました!

(インタビュー・手束 仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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