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第284回 小坂 誠 ファーム内野守備コーチ(北海道日本ハムファイターズ) 【前編】「名手・小坂を生み出したバックグラウンド」2015年03月28日

【目次】
[1]高校、社会人時代は守備で評価される選手ではなかった
[2]レン・サカタコーチと酒井 忠晴選手との出会いが大きな影響を与える

レン・サカタコーチと酒井 忠晴選手との出会いが大きな影響を与える

小坂誠ファーム内野守備コーチ
(北海道日本ハムファイターズ)

 入団時に出会ったコーチはレン・サカタ氏。レン氏は日系アメリカ人三世で、現役時代は1977年から1987年の11年間、ミルウォーキー・ブルワーズ、ボルチモア・オリオールズ、オークランド・アスレチックス、ニューヨーク・ヤンキースの4球団に在籍し、堅守の内野手として活躍を見せた。レン氏からメジャー仕込みの守備を学ぶこととなったのだ。

「私にとって大きな影響を与えて下さった方です。守備の基本的な考え方、脚の使い方、身体の使い方など手取り足取り教えて頂きました」

 そして、もう1人小坂コーチに影響を与えたのが1996年に中日からロッテに移籍した酒井 忠晴選手。小坂コーチは酒井選手の守備について次のようなことを語っている。
「入団1年目に一緒にプレーする機会があったのですが、まさに別世界のプレーでした。堅実さとトータルバランスではヤクルトに在籍していた宮本さんを挙げさせていただきますが、酒井さんには違う表現力がありました。ですからコンビを組んだ時の守備動作はとても勉強になりました」

 特に酒井選手の守備で参考になったことは。

「脚の使い方とハンドリングです。プロの世界では1歩遅いだけでも命取り。捕球してから直ぐに送球に移るためには、いかにスムーズに脚運びが出来るかを考えます。要するに『脚で捕る』という意識です。私は遊撃手なので、三遊間へ飛んだ打球に対して併殺動作を行う場合、捕球した時に如何にして身体が流れることなく送球が出来るか。脚の使い方は普段とは違うので高校生に教えるのは難しいと考えます。

 しかし、その脚の動きと体重移動を体得して脚の動きがスムーズになると、余分な動きを省くことが可能になり、併殺の時に時間が短縮出来るのです。私の場合、素早く動ける脚の使い方を練習して、失敗を恐れずに身体に覚え込ませる反復練習を心掛けました。
高校、社会人野球は土のグラウンドが多いですが、プロ野球は人工芝の球場が多い。人工芝のグラウンドでは、脚の踏ん張りに対する反動が大きいので、如何に身体全体で踏ん張り、自分自身のリズムとテンポで相手が捕球しやすい送球が投げられるのかを意識していました。」

 また失敗する動きで共通することは・・・?

「やはり脚が動かないこと(動きが止まること)ですね。指導する立場になって改めて判ることなのですが、捕球の際にミスをする選手の多くは、脚が充分使えずに身体が止まっていることが多いのです。そして、動く時に股を割った状態で捕球しなさいと言われることがあります。これは私の見解ですので理解し難い方もいると思いますが、それは捕球する際に股が割れていても、次の動作に移る為の体重移動が出来る状態を作っておかないと、常に打球を『待って捕る』ことが多くなりますし、打球の変化に対応し難くなります。

 これでは股を割った姿勢を作っている意味が無くなると考えます。この動作も皆一緒に見えたとしても、個々の感覚があるので指導するのは難しく伝わりにくいことが多いので、本人の感覚を磨いていくことが大事になります。
また、「来た球を捕る」という表現がありますが、それは技術が長けている人が使う言葉であって、私の場合には「来た球に対して、次の動作に移りやすいポイントで捕球することを考え、脚力を活かして捕りに行く」という意識で取り組んでいました。それはキャッチボールからも同様です」

 守備の話を聞くといつも実感することだが、守備の動きは実に細かい。覚えることは実に多いと実感する。

 ここまでアマチュア時代とプロ入り当初のエピソードを中心に振り返りました。後編では、ポジショニング、打球の判断はどんな考えで磨いてきたのか。また守って当たり前というプレッシャーの中、どう向き合ってきたかについて語っていただきます!(続きを読む)

(インタビュー・河嶋 宗一

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プロフィール

小坂 誠
小坂 誠(こさか・まこと)
  • 北海道日本ハムファイターズファーム内野守備コーチ
  • 経歴:柴田―JR東日本東北―千葉ロッテマリーンズ(1997~2005)―読売ジャイアンツ(2006~2008)―東北楽天ゴールデンイーグルス(2009~2010)(2011~2013コーチ)―北海道日本ハムファイターズ(2014~ファームコーチ)
  • タイプ:右投左打
  • 身長体重:167センチ63キロ
  • 生年月日:1973年7月2日
  • 獲得タイトル
    新人王(1997)
    最多盗塁(1998、2000)
    ゴールデングラブ賞(1999~2001、2005)
    月間MVP(1997.4)
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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