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入野 貴大投手&殖栗 正登トレーナー 対談 vol.1
入野 貴大投手&殖栗 正登トレーナー 対談 vol.2
入野 貴大選手・2013年インタビュー
殖栗トレーナー・コラム一覧
[1]「150キロ」後の調整と新たな発見
[2]徳島で得た「NPB仕様」と責任を背負い、東北で輝く
[3]又吉 克樹(中日ドラゴンズ)ばりの活躍を見せてほしい
又吉 克樹(中日ドラゴンズ)ばりの活躍を見せてほしい
――入野選手は、チームとして引っ張る立場でしたが、リーダーとしてどんな思いでチームを引っ張っていきましたか?
入野 昨年までは「誰かについていく」方でしたが、今年投手キャプテンになったことで「みんなのお手本にならないといけない」ことを強く意識しました。
僕は「キャプテンは一番いい選手がやらなければいけない」と思っています。ですから僕は投手の中で一番いい成績を残して、言葉よりも結果や成績を残すことでわかってもらいたかった。今年成績がついてきて東北楽天からドラフト指名を受けたことで、その部分では投手の後輩たちにいい影響を与えられたとは思っています。

殖栗 正登トレーナー
殖栗 「25歳・26歳でもNPBに行けるんだ」ということを示したことも大きかったです。人間は20歳から22歳までのハイパフォーマンス期を超えると体力は伸びない傾向にある。野球であればそれ以降は戦術や技術を学ぶことで、27歳前後にピークを迎えることが多いのですが、入野は25歳でさらに体力を上げ、フィジカルを上げ、球速を上げてNPBに進む。これは独立リーグにいるこの年齢の選手たちに対しても「まだまだトレーニングを頑張れば俺たちでもやれる」と希望を与えたと思います。
そして望むことはただ1つ。又吉 克樹(香川オリーブガイナーズ~中日ドラゴンズ2013年ドラフト2位・昨季67試合登板9勝1敗2セーブ81回3分の1を投げ104奪三振・防御率2.21)(2013年インタビュー【前編】【後編】)ばりに、一軍で7・8回を任される投手になって、144試合コンディションをキープしてほしい。願わくば新人王を狙ってほしい。
僕としても入野には前期はメニューの指示をしましたが、後期からはNPBでの自主トレーニングも見据えてポイント・意識すべきことだけを言っていたので、これを少しでも来年以降活かしてくれれば幸いです。
あとは愛媛でも徳島でも7年間の間、色々な方に支えてもらったと思うので、元気な顔を映像で見せてほしいですね。
――では、それを受けて入野投手。今後の意気込みをお願いします。
入野 僕はこの徳島での一年が、今までの7年間の中で一番伸びた要因は、練習内容を変えたからだと思っています。僕自身はもっともっと伸びると思っているので、この練習方法は来年以降も続けていきたいですし、もし迷ったときには今年練習したことを思い出して、東北楽天では「絶対的エース」を目指してやっていきたいと思います。
――最後に。入野投手にとって殖栗トレーナーとは?
入野 僕は「○○とは?」と言うのは得意じゃないんですけど……。今年成長できたのは殖栗さんの力もあると思っていますし、感謝しています。
殖栗 僕はずっと厳しいことを言ってきたんですけど、こう言われると涙が出そうです。僕もいい一年でした。チームのみんなに感謝しています。
――今回はお二人とも、ありがとうございました!
殖栗・入野 ありがとうございました!
普段は想いを内に秘め、マウンドですべてを出すことを頑ななまでに貫いてきた入野 貴大。実は四国アイランドリーグplusでの7年間で野球のことをこんなにしゃべったのははじめてといってよい。それができるようになった彼の引き出しにも筆者は成長を感じた。
様々な人たちと出会い、積み重ね、そして今年、その関連性をつなぐ方法を知る殖栗トレーナーと出会い受け入れて取り組んだことで、ついにつかんだ「NPB」。来年以降もその想いを忘れず、東北の地で精進に励めば、きっと入野 貴大はもっと、もっと高みに昇ることができるはずだ。
(インタビュー・寺下 友徳)