目次

[1] 昨年春夏優勝校、浦和学院・前橋育英が姿を消す
[2] 大混乱を見せた地方予選
[2] 高校野球の現場の二極分化

昨年春夏優勝校、浦和学院・前橋育英が姿を消す



左から高橋光成(前橋育英)・小島和哉(浦和学院)

 7月に入って、甲子園を目指す高校野球の地区大会がそれぞれ週末を中心としてスタートを切る。そこから、2~3週間は、高校野球関係者やファンにとってはあっという間に過ぎていく時間でもある。

 ピーク時になると、1日に全国で400試合前後が行われることになる。その中には、優勝候補と言われる学校が思わぬ早い段階で敗れたり、プロ注目の投手が打ち込まれて敗退したりということもある。メディアの特性として、そんなことがあると大きく取り上げていくことになる。

 やはり、番狂わせは見る側としてはたまらない面白さを感じるものなのである。

 今年も、そんな現象が序盤から各地で現れていた。
埼玉では、昨春悲願のセンバツ優勝を果たした小島 和哉投手を擁していた浦和学院が早々に川口に敗退した。今春も県大会を制するなど、ここ何年も圧倒的な安定感を示しているだけに、よもや取りこぼしはないだろうというのが大方の見方だった。それだけに、ビックリする波乱でもあった。

 また、昨夏全国制覇を果たし、エースとして貢献した髙橋 光成投手が残っていた前橋育英も、2試合目となった3回戦で健大高崎の前に屈した。
もっとも、前橋育英の場合は昨夏以降、秋季県大会春季大会はいずれも早々に敗退しており、シード権を獲得出来ていなかったということもあった。また、全国制覇を果たしたということで、これまでになかった非日常的なことが知らず知らずのうちに起きていたということもあったのではないだろうか。

 これに対して、健大高崎は昨秋からこの夏を目標として、甲子園に行くには前橋育英を倒さない限りあり得ないということを意識して取り組んできた。だから、組み合わせの妙で早目にあたる可能性が高くなったことでも動揺はなかった。むしろ、早い激突を望んでいたくらいである。
青栁 博文監督も、秋からの取り組みの成果を発揮できたことを喜んだ。そして、そのまま群馬大会を制して2度目の甲子園を手にした。

 健大高崎に敗退した後、荒井直樹監督は、「髙橋 光成には、学校にも新しい歴史を残してくれましたし、感謝の気持ちしかありません。全国優勝をした後も、今までと変わらない気持ちでやっていこうということは、常に言っていたのですが、やはりどこか違っていたのでしょうか。でも、これでまた今まで通りの普通のチームに戻れます」と語っていた。

 メディアからの注目度の高い高校野球の場合、一つ実績を作るとその後の時間はしばし非日常となることがある。そんな現象が知らず知らずのうちにこれまでのリズムを狂わせていくということになってしまっているのではないだろうか。


第96回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

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