- トップ
- インタビュー
- 2014年インタビュー
- 話題のスパイク【開発秘話】を調査 GEハイストIQ・ミズノプロCQ 鷲見将成さん
第233回 話題のスパイク【開発秘話】を調査 GEハイストIQ・ミズノプロCQ 鷲見将成さん2014年12月27日
【目次】
[1]長所を伸ばすGEハイストIQ、走攻守のバランスに優れるミズノプロCQ
[2]静から動へ、強い蹴り出しの実現
[3]自分の中で持っているこだわりで履く靴を選んでもらえたら
静から動へ、強い蹴り出しの実現
――ミズノプロCQを作り出す上でも、走塁だけでなく、“バランス”を求めるといった部分では、難しい部分も多かったのではないでしょうか?
そうですね。CQに関しては、どういうシーンであっても本当にバランス良くプレーをしたいと願っている選手に向けてのスパイクですので、そういった選手というのは、自分のイメージしている動きをしっかりと持っていたりするんですよね。
そのため、より素足の感覚でどういう動き方をしても、その人が動きやすいような形に、ソールが曲がるとか、止まっていてもスパイクを履いているという違和感を持ちにくい構造を求めていきました。金具の配置、靴の曲がり方、硬い部分と柔らかい部分の出し方など、工夫を凝らしながら制作していきました。
――実際に開発段階の中で、加速を高めるといった実験もされたのでしょうか?
野球というのは、元々止まっている状態から動くスポーツです。ピッチャー以外は、何かしらアクションがあったものに対してパッと反応しなきゃいけない。その上で、止まっている状態から素早く動き出して、より速くトップスピードに乗るための“加速力”を求めた実験は重ねていきました。

GEハイストIQ
その中で、GEハイストIQは、スタート時の一歩目の力、つまり進行方向に対しての力が、一番強いという結果が出せました。これは他社だけでなく、自社の以前のスパイクも含めた検証結果ですが、より向かいたい方向に強い力が発揮できる。強い蹴り出しが実現できた結果となりました。
――走塁以外でも、蹴り出しの強さという部分で、数値測定は行っていったのでしょうか?
そうですね。もちろん走塁以外で、守備の場合でも、例えば内野手でも外野手でも、後方にフライが飛んだ時は、後ろにも蹴らなければならない。その後方に走る時の一歩目の力の向きというのは、どういうふうにかかっているのか。バッティングにしても、ピッチャーのスローイングにしても、そうですよね。
スローイングについては、例えばショートの選手が、三遊間のボールを取って踏ん張ってファーストに投げる時に、より強く蹴りたい。そういうシーンの時に、どういう力のかかり方になっているかを測定して、それらをもとに開発をしていきました。
実際に出来上がって、測定した時には、GEハイストIQの場合は、蹴り出しという部分で、すごく高い数値が出ましたし、ミズノプロCQの場合は、どの項目でもバランスよく良い数値が出た。これらを僕らは想定した設計をし、制作してきたので、自信を持って出せましたね。
【次のページ】 自分の中で持っているこだわりで履く靴を選んでもらえたら: