侍ジャパン18U代表 代表選手に選出されたナンバーワン・スラッガー岡本 和真選手(智辯学園)。8月29日、関西大と行った練習試合(試合レポート)後に話を聞いた。

無欲を貫く4番岡本和真(智辯学園)

関西大戦で適時打を放つ岡本和真(智辯学園)

 4打数3安打2打点。この男には木製バットも関係ないのか。
木製バットはいつから使ったの?という質問に対し、
「中学の時からずっと木製バットを使っていましたし、特に違和感はないです」
平然と語ったのが4番岡本 和真智辯学園)だ。高校通算73本塁打を放ったスラッガーとして4番を任される立場だ。

 過去に高校生を代表するスラッガーと呼ばれる選手は、目立ちたがり屋で、如何にも本塁打を狙っているのがまるわかりで、強引なスイングをしたり、ボール球を振ったりと不器用な打撃をする選手が多かった。そういう選手はプロに入れば、レベルの高い変化球に対応できず、苦労する選手が多い。

 だが岡本は違う。岡本は見送ることが出来る選手なのだ。つまり我慢が出来る。きわどい変化球には手を出さず、これは打っても凡打になるコースはファールで粘る。プロでもスラッガーとして活躍出来る選手はそれが出来て当たり前。つまりプロで身に付けるべき技術を備えているのだ。なぜそれが出来るのか。

 「難しい球を打っても凡打になるだけ。あくまで自分が打てるコースをしっかりと打ち返すだけです。そして自分は本塁打を狙っていません。あくまでつなぐか、得点圏に走者がいれば、適時打が打てればと考えています」
模範的な答えである。
岡本は言動通りに、ボール球にも手を出さず、ストライクゾーンを見逃さずに打ち返すことが出来る。決して大げさにガッツポーズをとることもなく、精神的に落ち着いたタイプといえよう。だからこそ、いつでも自分の打撃が出来る。

 言葉だけではなく、打撃フォームも無駄が少なく、フォロスルーから大きく取った豪快なフォーム。投手のタイミングに合わせて、ゆったりとトップを深く取る。そこからスイングを始めるが、インパクトまでロスのないスイング軌道。下半身の動きも、しっかりと間合いを測りながら、踏み込んで、踏み込んだ左ひざがうまく割れた状態になるので、速球、変化球にも対応が出来る。高度な打撃が出来る選手といえるだろう。

 この日の3安打はとても内容のあるものだった。
第1打席ではライトフェンス直撃の三塁打。第4打席は詰まりながらもセンター前へ。そして第5打席は高めへの直球を見逃さず、左中間を一気に破る二塁打。今年、高卒プロを迎える選手とは思えない迫力ある打撃であった。
だが本人は「チャンスで打てたのは良かったですけど、まだしっかりと捉えきれていないです」とまだ内容には満足行っていないようだ。

 2試合続けての活躍に、高橋監督は「右、左と打ち分けて、ファールで逃げることもできる。予想以上の打者ですね」と絶賛。周囲の期待は長打である。そんな岡本に一発を期待しても良いですか?と言う質問が飛んだ。岡本は

「いや期待しないでください。僕は本当に本塁打を狙っていないんで」

リップサービスすることなく、正直に答えた岡本。下手に本塁打を狙えば、自分の打撃スタイルが崩れることを恐れているのだろう。あくまで無欲を貫く岡本。本戦でも勝負強い一打を見せてくれるに違いない。

(インタビュー・河嶋 宗一


【試合レポート】18U日本代表vs関西大学(2014年8月29日)
【インタビュー】智辯学園高等学校 岡本 和真選手(2014年3月20日)

第10回 BFA 18Uアジア選手権

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