今年、ドラフト候補として注目される山崎 福也投手。高校時代は第82回選抜高等学校野球大会で準優勝に貢献する活躍を見せました。後編では大学に入ってからの取り組み、投手として急成長した技術的なきっかけ、最終学年としての目標を伺いました。
大学では右手の使い方を学んで、ブレイク

明治大学 山崎福也選手(日大三出身)
――3年になって投手に専念した理由を教えていただけますでしょうか?
山崎 3年春にアメリカキャンプがあったんです。アメリカのチームといろいろ試合をしたんですけど、そこでコツを掴みまして、球自体も一気に速くなりました。
――コツですか。技術的にどんなことを工夫されたのでしょうか?
山崎 投球動作に入るときに、グラブを持つ右手の使い方を改めました。右足を上げて、踏み出してから右腕を本塁方向に向かって伸ばす動作がありますよね。その動作が小さいことを監督から指摘をいただきまして、もっと大きく伸ばす使い方に改めました。その動作に変えてから、球が一気に速くなりました。
――グラブを持つ右手の使い方は大事ですよね。
山崎 アメリカキャンプの時に善波監督に右手の使い方の大事さを教えていただきました。そこからどんどん変わっていきました。右手の使い方に限らず、他の体の使い方も変わってきました。
――1つ良くなることで体全体も変わってくるものなのですね。
山崎 そうですね。今までグラブを持つ右手の使い方の意識が低かったのですが、投球動作に入るときに右手を大きく使うことで、体の使い方も良くなりました。右手を大きく使うことで、体全体で投げているイメージを掴んで、フォームにダイナミックさが生まれてきましたね。
――球速は149キロまで伸びたようですが、変化球の切れも良くなったんですよね。
山崎 変化球がだいぶ増えましたね。曲がり方、落ち方、キレ、制球力もアップしました。高校時代は大きく曲がるスライダー、カーブと2つぐらいしかなくて、それプラスカットボール、ツーシームも投げられるようになりました。
――変化球の曲げ方は、変えたりとかはしましたか?たとえばスライダーは横に曲げていたけど、縦に変えたりしたなど。何か変えたことを教えていただければと思います。
山崎 それはあります。カーブなんですけど、高校の時は球速が遅く、曲がりはじめるのが早くて、打者にとって見極めやすく、実戦的ではなかったと思います。打者にとって嫌な変化といえば、手元で急に曲がる変化だと思い、大学に入ってからはその変化がするカーブを投げられる練習に取り組み、ようやく投げられるようになりました。
――3年春は6勝、秋は5勝と年間11勝を挙げましたが、自分の思い通りの投球が出来たと感じていますか?
山崎 春は自分の力で6勝できたと思うのですけど、秋は野手陣に助けられました。そんな中でも5勝出来たのは良かったと思います。
――フォームの改良だけではなく、トレーニングで工夫していることはありますか?
山崎 股関節の柔軟性を大事にしています。そのため日々、ストレッチをして、柔らかくすることをやっています。トレーニングも下半身のスクワットメニューを中心にやっていました。そこまで難しいメニューはやっておらず、球速を高めるにやったということはなく、あくまで下半身のスクワットと股関節の柔軟性を広げるためのストレッチをやっていました。
―― パフォーマンスアップのためにアンダーシャツについてもこだわりはありますか?
山崎 試合用にはダボダボなアンダーシャツは絶対に着ないですね。試合ではピチピチしたアンダーシャツを必ず着用します。とはいっても、ピタッと付着したアンダーシャツは好きではなく、ゆるさがあるピチピチを好き好んで着用しています。昔はピチピチしただけのものしかありませんでしたが、少し緩くなったものがあるので、ありがたいですね。