Interview

明治大学 山崎福也選手(日大三出身)【前編】

2014.04.01

 今年、ドラフト候補として注目される山崎 福也投手。高校時代は第82回選抜高等学校野球大会準優勝。投打とも大活躍を見せました。卒業後は明治大に進学し、3年春からエースとして6勝を挙げ、優勝に貢献しました。山崎 福也選手から高校時代に意識していたことを伺いました。

とにかく初戦勝利を目指した選抜

日大三時代の山崎選手

――2010年の選抜(※1)を振り返っていただきたいと思います。まず2010年は桐蔭学園と最後の枠で争っていましたが、あの時の心境はいかがでしたか?

山崎 福也選手(以下「山崎」) あの時は選ばれると思っていなかったので、夏へ向けてやっていこうとチームの中でありまして、特に意識せずに、普通にグラウンドに来て練習をしていました。だから選ばれたときはすごい驚きの気持ちとうれしい気持ちで、選ばれたからには切り替えていかなければならないなと思いました。

――秋の大会(※2)ではベスト4。冬はどんなことに取り組んでいたでしょうか?

山崎 まず冬の強化合宿がありまして、それに向けてチームのみんなで体を作って、次の年の夏へ向かってがんばっていこうと合宿に入りました。

――日大三といえば年末に行われる合宿ですよね。あの合宿の話を聞かせてください。

山崎 2週間ありますけど、朝の5時から夜の21時半~22時に終わるサイクルを2週間繰り返す感じですね。

――投手陣はどんなメニューをこなしてきたのでしょうか? 

山崎 投手陣だけではなく、朝から全員一緒に走り込みを行います。下半身を鍛えるメニューを行うんですけど、午前中は投手も野手と同じメニューをこなします。午後は打撃、ポジション別ノック。とにかくノックが多かったですね。食事を挟んで、夜間の練習を22時までやっていました。夕食もどんぶり何杯食べるというのが決まっていました。

――選抜に選ばれた後、どんな目標を立てましたか?

山崎 もう一戦、一戦しっかりと戦って、まず初戦に勝つことを目標にして、優勝なんて考えていませんでした。

――どうでしたか? 甲子園の初マウンドは? 

山崎 その前年の夏(2009年)に一塁手で、甲子園でプレーしているんですけど、いざマウンドに立ってみたら、圧倒されたといいますか、周りのファンの方の多さに驚かされました。

――初回の失点(2失点)はやはり甲子園から来る緊張でしょうか?

山崎 確かに失点したのですが、そこで緊張がほぐれた感じがして、そのあとは落ち着いて投げることが出来ました。

 

(※1)【試合記事】2010年選抜大会 第82回選抜高校野球大会
(※2)【試合記事】2009年秋の大会 秋季東京都高等学校野球大会本大会 準決勝 帝京vs日大三

第86回選抜高校野球大会 特設ページ

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[page_break:投手よりも野手として満足いく選抜だった]

投手よりも野手として満足いく選抜だった

――初戦の山形中央戦(2010年3月21日)(※1)では14対4で勝利、向陽戦では2対1でした。

山崎 2回戦は1点に抑えられたので、自分の投球は出来たと思っています。ただ両チームとも21世紀枠からの出場ですけど、普通に強いチームでした。

明治大学 山崎福也選手(日大三出身)

――準々決勝(2010年3月31日)(※2)は敦賀気比と対戦。10対0の完封でした。

山崎 敦賀気比が打てるチームなのは、前の試合のビデオを見て感じていましたが、この試合はよく投げることができました。

――準決勝はエースの有原 航平投手がいた広島広陵に勝利し、決勝(2010年4月3日)(※3)では興南と対戦でした。興南といえばエースの島袋 洋奨投手(独占インタビュー 中央大学 島袋 洋奨選手)(※4)。対戦してどんな印象を受けましたか?

山崎 まず真っ直ぐのキレが良いと思ったことですね。コントロールもすごい良かったですね。何より凄かったのは高校生なのに、左打者の膝元にしっかりとコントロールできること、同じ投手として見習いたいと思いました。

――選抜5試合を通じて、ご自身の投球はどうでしたか? 

山崎 もう野手に助けられてばかりでしたね。投手としてはそんなに満足いく出来ではなかったです。むしろ打撃の方が良かったですね。大会記録を残すこともできました。

――山崎選手の打撃を見ていると、右、左に打ち分ける広角的な打ち分けていたのが印象的でしたが、左右に打ち分ける打撃ができるために技術的に工夫したことは何でしょうか。
 

山崎 自分は外角全般が得意で、苦手はインコースでした。練習中では苦手なインコースを克服するためにどんな打ち方をすればいいかを考えて取り組んだ結果が、大会記録を残すほどの打撃が出来たことだと思っています。

――卒業後、明治大に進学。その時から投手1本でやることを決めていたのでしょうか?

 

山崎 投手志望だったんですけど、自分は打撃にも自信があったので、2年まで野手を兼ねながら試合に出場をしていました。

――最初、大学に入ったとき、レベルの違いはどう感じましたか?

山崎 投手のメンバー見ても、野村 祐輔さん(現広島 独占インタビュー 明治大学 野村 祐輔選手)、難波 剛太さん(現東京ガス)、柴田 章吾さん(現巨人)と凄い人しかいなくて、このメンバーに入るのはキツイと思った時期もあるんですけど、なんとか入ることができました。

――山崎選手、ありがとうございました。選抜では投手よりも野手の方が満足行く結果だったという山崎選手。明治大入学当初は投手と野手を兼ねることになる山崎選手が、投手としてブレイクするきっかけとは? 後編でお伝えいたします!

 

(インタビュー・河嶋 宗一

 

(※1)【試合記事】2010年選抜大会 第82回選抜高校野球大会 1回戦 日大三vs山形中央
(※2)【試合記事】2010年選抜大会 第82回選抜高校野球大会 準々決勝 日大三vs敦賀気比
(※3)【試合記事】2010年選抜大会 第82回選抜高校野球大会 決勝 興南vs日大三
(※4)【独占インタビュー】中央大学 島袋 洋奨 選手(興南高出身)

第86回選抜高校野球大会 特設ページ

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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